スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 / Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 / Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street

『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』とは、2007年に製作されたティム・バートン監督によるミュージカル・ファンタジー・ホラー映画。スティーヴン・ソンドハイムらが手掛けたトニー賞受賞ミュージカルを原作としており、19世紀のロンドンを舞台に、復讐に狂う理髪師と共犯者の凄惨な物語を描いている。本作は、無実の罪で投獄され家庭を壊された理髪師ベンジャミン・バーカーが、「スウィーニー・トッド」と名を変えて復讐を果たすメロドラマである。バートン監督は1980年代から映画化を熱望しており、ジョニー・デップとヘレナ・ボナム=カーターを主演に迎えることで長年の夢を実現させた。
監督特有のダークな映像美に加え、本格的な歌唱シーンが全編を彩る。特に、犠牲者の肉をミートパイにして販売するというショッキングな設定や、鋭利なかみそりによる殺害描写が含まれることから、日本ではバートン監督作品として初めてR15+指定を受けた。
作品の評価は非常に高く、第80回アカデミー賞では美術賞を受賞したほか、ジョニー・デップがゴールデングローブ賞の主演男優賞を獲得するなど、数多くの賞に輝いている。
舞台はヴィクトリア朝のロンドン。悪徳判事ターピンによって無実の罪を着せられ、流刑に処された理髪師ベンジャミン・バーカーは、15年の時を経て「スウィーニー・トッド」と名を変え街に戻ってくる。しかし、愛する妻は亡くなり、娘のジョアンナはターピンの養女として幽閉されていることを知る。
かつての自分の店を訪れたトッドは、階下でパイ店を営むラヴェット夫人と再会し、銀色のかみそりを手に復讐の機会を伺う。やがてトッドは復讐の連鎖の中で理性を失い、来店する客を次々と殺害。ラヴェット夫人はその死体を使って「ロンドン一美味しいミートパイ」を作り、店は大繁盛するが、物語は衝撃的な結末へと突き進んでいく。

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 / Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Streetのレビュー・評価・感想

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 / Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street
9

退廃的でどこか美しい雰囲気を持つ、殺人鬼の物語

本作は「切り裂きジャック」という、過去に実在した未解決連続殺人犯をモデルとしたフィクション映画です。
切り裂きジャックとして描かれるのは、腕のいい理髪師であるベンジャミン・パーカー。演じるのはパイレーツ・オブ・カリビアンのジャック・スパロウ役などでも知られるでジョニーデップです。原作は同名のミュージカルであり、本作も随所でミュージカル調の演出が見られ、ジョニー・デップらの美声は必聴です。

パーカーは妻を狙うターピンの策謀により無実の罪で流刑に処され、後にスウィーニー・トッドを名乗りフリート街へ戻ります。
そこで出会ったラヴェット夫人から、妻は判事にいたぶられ自殺したと聞かされ、復讐劇が始まります。

トッドは自分の正体を隠すため、復讐のため、あるいはただの腹いせに次々と人を殺めていき、死体の肉はラヴェット夫人のミートパイとして売られていきます。

ある時トッドの店に訪れた女性を殺害。その直後に訪れたターピンの殺害に成功しますが、先ほど殺害した女性がラヴェット夫人から死んだと聞かされた最愛の妻であることに気が付き、激しい怒りを覚えた彼は自分に好意を持っているラヴェット夫人をワルツに誘い、踊ると見せかけて彼女を窯へ放り込み殺害。
トッドは妻の亡骸をその胸に抱きながら、ラヴェット夫人が保護していた少年に自らの剃刀で喉を切られ、妻の亡骸を抱いたまま静かに命を失っていきます。

この誰も幸せにならない、悲しい物語。
彼の所業は許されるものではなく、天国にはいけないとは思います。それでもせめて、死後の世界で二人が幸せになることを願わずにはいられません。