共感しつつ、叱咤激励されている気持ちに
作者の周りにいる女子たちから着想を得たという『東京タラレバ娘』。大都会の恋愛事情の現実を、シビアに、そしてコミカルに描き出しています。
独身の女子だけで集まっては、恋愛について「あーでもない、こーでもない」と語り合うけども、一向に何も解決しない。こういう状況ってすごくわかります。
海外ドラマ『Sex and the City』でも、同じような光景を見ましたし、女の悩みって世界共通なんだなぁと思いました。
『Sex and the City』のキャリーは恋愛コラムのライターで、『東京タラレバ娘』の倫子はドラマの脚本家と、どちらの主人公も恋愛を扱う執筆業というところも共通しています。
そういう主人公だからこそ、恋愛について語らせやすいのかもしれません。
「あのときこうだったら、ああしていれば…」と語り合うタラレバ娘の三人組は、みんなアラサー。
20代の頃は勢いもあるし、まだ楽観的でいられたのに、30代に突入すると、自分の置かれている状況に向き合わなきゃいけなくなる。
アラサーって、まだまだ自分のスタンスが確立しきってない状態だと思います。
そういう、微妙な年齢に達してしまった女子たちのもがきにリアリティーがあって、笑えるんだけど、笑いごとじゃ済まされない作品になっています。
倫子たちに共感しつつも、叱咤激励されているような気持ちになりました。