塊魂 / Katamari Damacy

塊魂 / Katamari Damacyのレビュー・評価・感想

塊魂 / Katamari Damacy
8

モノを固めて大きくするアクションゲーム

プレイステーション2のビデオゲーム。
コントローラーの左右スティックを駆使し「塊」を操作、日常生活にある物や生物を塊にくっつけ、大きくするという斬新な内容。
制限時間以内に塊を大きくすればノルマ達成、という覚えやすいシンプルなルール。
最初は机に転がっているサイコロ、鉛筆など小さい物しか巻き込めないが、鉢、自販機、乳牛、車、家…と徐々にスケールの大きい物を巻き込めるので非常に爽快感がある。
ただ物体を巻き込むだけでも楽しいのだが、極めようとすると最適なルート構築が要求され、シンプルながらもゲーム性は意外と奥深い。
リーゼントをきめた若者が子供用遊具に乗っていたり、なぜかバナナが地面に埋まっていたり…といった笑ってしまう要素もある。
その他、巻き込める物品・生物の種類が非常に多く、後でコレクションとして詳細を確認できる収集要素もあるのは嬉しい。
ただし、操作によってスティックキーを酷使するため、コントローラーの劣化に拍車をかけるといった物理的な欠点がある。
また、カメラが立体空間をせわしなく動き回るため、画面酔いしやすい人は特に注意。
覚えやすい単純なゲームシステムながら極めがいがあるので、1度ハマってしまったら他の塊魂シリーズにも手を出してみるといいだろう。

塊魂 / Katamari Damacy
9

シュールな世界を巻き込んでいく快感

小さな塊を転がす。最初は小さなものを巻き込み塊を大きくしていって、大きなものを巻き込んでいく。最初は大きなものにぶつかると弾かれたりせっかく巻き込んだものが飛ばされたりするのが、塊が大きくなると今度はこちらが容赦無く巻き込んで、大きさの糧になっていくのが気持ちいいです。
序盤は文房具や小動物しか巻き込めないというステージから、ストーリーが進むにつれ最終的には地球全てを巻き込んでいくという壮大かつシュールな展開は筆舌にし難い気持ちよさがあります。

BGMがどれも楽しく、気の抜けた歌詞とメロディですがなんとなく名曲っぽいのが笑えます、プレイ中はついつい一緒に歌ってしまったり。
テーマソングに至っては大御所である松崎しげるさんが歌っている、まさに名曲です。

言葉を話すキャラクターは、ほぼ主人公「王子」の父である「王様」だけなのに、それを感じさせないほどセリフにインパクトがあります。何より、自分の責任を王子に押し付けたり、息子にいちいちマウントを取ろうとする大人気ない王様は存在自体がシュールです。
王子へのお土産を用意しては、ステージに落としてきたり捨ててきてしまうという、優しいようでやっぱり扱いが酷いです。王子の扱いが不憫で、塊を転がす姿は健気ですがどこか楽しそうで、ちっとも悲しい気持ちにならず楽しい気分でゲームができます。