大学の若大将

大学の若大将のレビュー・評価・感想

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大学の若大将
8

現代では失われた男らしいというかっこよさ

若大将シリーズ第一弾。1961年公開。主演は加山雄三。

1960年代の大阪を舞台とした青春群青劇。大学生である主人公田沼雄一が、部活、恋愛、家庭問題において奮闘する様子を描く。

この映画の魅力はなんといっても、加山雄三が演じる主人公のかっこよさにつきる。実家がすき焼き店を営んでいて、その跡取り息子なために、周りからは若大将と呼ばれている。しかし、若大将とみなに言われるゆえんはそれだけではない。

堂々としているけど、傲慢ではない。自然と場の中心にいるけど、一人のときはどこか孤独感を感じさせる。そんな男の憧れを主人公は体現している。また、外見も男らしい魅力に溢れている。特に水泳部での活動のシーンでは、よく日焼けされた、自然な肉体美を披露してくれる。

物語の展開はスピーディーで飽きることがない。基本的にはコメディタッチで笑えるシーンが多い。部活、恋愛、家庭と様々な場所で若大将が活躍したり、ときには失敗する姿を、笑いあり涙ありの演出で楽しむことができる。

この映画を見終わったら、主人公の姿に、男なら憧れ、女ならときめきを感じるだろう。物語の中に没入し、言葉遣いもうつってしまうかもしれない。

まず、見て損はしない作品である。多くの人がシリーズの続きを見たいと思うだろう。