キングコング対ゴジラ
日米の誇るべき怪獣の一大決戦。それにしてもこの企画を考えた人は偉いですね、だれでしょう?円谷英二、あるいは本多猪四郎監督か、はたまたプロデューサーの田中友幸なのか。アメリカサイドもよく引き受けたもので、正に夢の競演が実現した。
内容はなんとコメデイー仕立てである。キングコングがボケで、ゴジラがツッコミ。まるで漫才のような展開で笑わせてくれるとは、予想をいい意味で裏切ってくれるのだ。
監督は本多猪四郎、特撮は円谷英二、音楽は伊福部昭、日本が誇るビッグスリーである。
ゴジラを演じるのはもちろん日本初のスーツアクター中島春雄、キャストは高島忠夫、藤木悠、浜美枝、有島一郎、佐原健二、など。ぜいたくなキャスティングではないか。
笑わせてくれるのは怪獣だけではなく、人間たちも怪獣に負けてなるものかと、一層笑わせてくれる。その中で一番のコメデイアンぶりを見せてくれるのが有島一郎。この人は若大将シリーズの若大将のおやじ役で有名な俳優で、いわゆる芸域が広い名優。
監督の天才的な演出力が冴えにさえ、見るものを夢の世界に連れていってくれる。一作目のシリアスなゴジラとは一転して、エンターテイメントに満ちたゴジラを作る柔軟性の見事さに、我々は絶大な信頼性を感じて大喝采を送るのだ。
勝負の行く末は見てのお楽しみ。ぜひ見て楽しんでもらいたい。見ないと損する映画だ。