アルキメデスの大戦

アルキメデスの大戦

『アルキメデスの大戦』(アルキメデスのたいせん)とは、三田紀房による日本の漫画、およびそれを原作とした実写映画作品。原作は2015年から2023年にかけて『ヤングマガジン』で連載され、2023年7月からは媒体を『ヤンマガWeb』に移し、その後、同年9月まで連載が継続されて完結を迎えた。2019年には実写映画が公開されている。軍艦や戦闘機など、旧日本軍の兵器開発や製造をテーマにしたフィクション作品だが、実在する軍人の山本五十六が主人公として登場する。当時の技術戦略についても丁寧に描かれているほか、人間模様に迫るストーリー展開が人気となった。コミックスの6巻の帯には漫画家のかわぐちかいじが、8巻の帯には漫画家の秋本治がそれぞれ推薦コメントを寄せたことでも話題となっている。

penwp_hiraiwaのレビュー・評価・感想

アルキメデスの大戦
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映画「アルキメデスの大戦」-哀し過ぎる末路

太平洋戦争に向かう時代の流れの中、海軍は新しい艦船建造を計画する。これからの時代、どのようなものが本当に作るべきものか。これからは飛行機・空母が主力になっていくとする山本五十六一派と、世界に類を見ない、日本の象徴とも言える戦艦を作ろうとする平山忠道一派が激しく対立する。
山本五十六は巨大戦艦建造費用が安すぎることに疑問を持つ。そこで軍人嫌いの元帝大数学科の天才、櫂直(かい・ただし)を、その大きな人間的包容力で味方に引き込み、本当の建艦費用を算出させようとする。この櫂直の天才的・奇人的活躍ぶりが映画の中心となる。タイムリミットは約二週間。数学の天才ではあるが、戦艦設計の素人の櫂直に出来るのか。戦艦建造派はあらゆる妨害をしてくる。軍の機密であることを理由に必要な資料は見ることが出来ない。資料が見られるところを探して飛び回る。そこにちょっとした恋愛ドラマも絡んでくる。約二週間先のはずであった第二回の建造艦会議が突然早まる。櫂直はどう切り抜けるのか!そして、最後に語られる平山忠道の深謀遠慮の哀しい本心とは……。
手を握りしめ、タイムリミットに向けてどんどん進む画面に食い入ること請け合いである。終戦記念日を前に是非、見ておきたい作品である。