多数のゲームをプレイしていて、初めて受けた衝撃
ヒロイン2人、エンディング数は3つでした。
発売された2013年時点では、ヒロインがある程度の人数存在しそれぞれ攻略が可能。エンディングはヒロインの数より多く、彼女たちと結ばれるものとバッドエンドがある。というものが多いイメージであった中、本作はヒロインとエンディングの少なさが珍しく、しかしプレイヤーに圧倒的な痕跡を残す名作です。
こういったゲームではセーブデータを複数作り、また何度も最初からプレイして全ヒロインを攻略することが当たり前だと思っていましたが、君と彼女と彼女の恋。には、それが当てはまらない点も衝撃です。
さらにはゲーム上で手に入る「チートコード」を入力すると、以後パソコン上でローカルファイルを実際に消さない限り、通常プレイができない、という商業作品では類を見ないような仕掛けが。
他にも、2人いるヒロインのある一方を選んでしまうと、もう一人のヒロインに選んだ方が殺されてしまい、セーブデータを消されて一人目のヒロインしか攻略できなくなる上、そのヒロインは主人公ではなくプレイヤーに話しかけてくるのです。
文章で読むとチープかもしれませんが、高い完成度で作り込まれている作品世界にしっかりと引き込まれた後に、これをされる衝撃は忘れられません。
購入した以上、全ヒロインを攻略したくなるのが心情ですが、それが当たり前である恋愛ゲームへのアンチテーゼのようなこの作品とヒロインに、それをする気にはなれません。
タイトルである君と彼女と彼女の恋。。
「君」とは主人公ではなくプレイヤー、その意味を知った時には、このゲームから何度衝撃を受けたかは、すでにもう覚えていられない回数になっていました。