コープスパーティー

コープスパーティー

『コープスパーティー』とは、チームグリグリ制作によるインディーズのホラーアドベンチャーゲーム、およびゲームを原作としたアニメOVAや漫画、実写映画などのメディアミックス作品。ゲームのシナリオやキャラクターデザインは祁答院慎が担当している。
第1作目の『「コープスパーティー」は「RPGツクール Dante98」を使用して制作されており、PC-9800シリーズ専用のPCゲームとなっている。本作は1996年開催の第2回アスキーエンタテインメントソフトウェアコンテストで最優秀賞を受賞した。その後、1996年4月22日に『ログインソフコン』6号の付録としてリリースされた。
キャラクターはアニメ調のデザインになっているが、作風は猟奇的なホラー。戦闘シーンは多くなく、ジャンルはホラーアドベンチャーとなっている。
2010年8月には、PSPに移植した初のコンシューマー版となる『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー(Corpse party BloodCovered: ...Repeated Fear:』が発売された。

コープスパーティーのレビュー・評価・感想

コープスパーティー
7

「コープスパーティー Tortured Souls -暴虐された魂の呪叫-」の感想:スタッフによって暴虐されたキャラクターたち

呪われた廃校の中を彷徨うホラーゲーム原作のODA。持田哲志ら仲良し高校生グループは、文化祭最終日の放課後、副担任と哲志の妹の由香も加わって、転校する鈴本繭のために実行したずっと友達でいられるしあわせのサチコさんの御呪いに失敗して、凄惨な殺人事件の現場であり、とうに取り壊されたはずの天神小学校という多重閉鎖空間に閉じ込められてしまう。
このアニメはゴア映画好きで、バットエンドに耐性がある人でないと、全4話を完走するのが大変困難だ。まず、廊下や階段には中身をぶちまけた死体が大量に転がっている。スタッフが内臓がぶっ飛ぶシーンに一切手を抜いていない。メインキャラ、モブキャラの死にざまがみんな同様に視聴者にとって衝撃的すぎる。そして最終話ラストの「どうしてここまでキャラたちをいじめるの……スタッフ……」と、鑑賞後にすごく落ち込むレベルの胸が痛む結末を迎える。この作品の問題を一個あげるとすると、閉鎖空間最凶の悪霊のサチコの担当声優を、大谷育江さんにしたことだ。サチコが本気で殺しにかかってきたシーンで、他作品で明るく朗らかな性格のキャラを演じている大谷氏独特の声で殺意をむき出しにされても、ギャグにしか聞こえなかった。

コープスパーティー
7

漫画「コープスパーティー;娘」の感想:特殊性癖と怨霊と血みどろ祭り

持田哲志たちが天神小学校に閉じ込められて脱出するために奮闘するこの「;娘」シリーズは、原作のゲームのグロさと同様に、エロスや特殊性癖の要素に力を込めている。漫画版だけに登場する男の娘(のちに触手に拘束されて死亡)、妹系ロリキャラのおもらし、ネクロフィリア、キャラ別のバッドエンドなど…特定の性癖の人に刺さる描写だらけだ。物語の終止符の打ち方も後味が悪すぎる。サチコが成仏して天神小学校から生還しても、ほぼ全員が報われない。哲志は怨霊に殺された妹にクローゼットの中から次元を超えて呼ばれて、扉を開けてあっちの世界に入ってしまい、死亡。ヒロインの直美は元の世界の自宅に帰ってようやく一安心…と思っていたら自分が死んだことを思い出して、幽霊たちに囲まれて死亡。委員長の篠崎あゆみが好きな岸沼良樹は、あゆみが哲志のことばかり考えているのに黙って心を痛めて本心をあゆみに伝えず…。

元のゲーム版でもバッドエンドが多いし、閲覧がきついシーンがあるのは公式ガイドブックで知ってはいた。だが、哲志たちが普通の子供で無力であるばかりに仲間が死んでいくのを止められなかったのを1巻から見てきて、3巻の終盤で脱出できたのに、また凡人ではどうしようもできない力のせいで、生還したはずの友達が死んだことを知らない良樹とあゆみだけ生き残った。この物語を知って楽しむ人間に、安息のひと時などないと言わんばかりの残酷の嵐であるこの悲劇の3冊は、バッドエンドに対してマニア的嗜好である者しか読み切れないであろう。

コープスパーティー
8

萌系ホラーと思ったら大間違いです!

廃墟となった学校を舞台とした、チームグリグリによるホラーゲームシリーズ、コープスパーティー。ゲームクリエイターとして活躍されている祁答院慎先生の、原点とも言えるシリーズです。
コープスパーティーは、一見、美少女キャラによる、萌系のゆるいホラーかと思うでしょうが、少しプレイすることで、ガチのグロ!胸糞の悪さ!救いようのない絶望!を味わうことができます。キャラクターは、容赦なく殺されていきます。それもとてもとても残酷な方法で。分岐も多くあり、やりこみ要素もそれなりにあります。そのためには何度も何度も死ななくてはなりませんが。
シリーズ一作目は、最近流行りのドット絵のRPG風です。しかし、ドット絵ゆえの独特の恐怖感があり、近年の高グラフィックゲームとは全く異なった恐怖を味わうことができます。
2作目、3作目と、ゲームスタイルが変わりますが、基本的なコンセプトは変わらず、変わらない絶望感を味わうことができます。
ソニー系ハード(PSvitaなど)、(ソフトによっては)任天堂ハードや、PCでプレイ可能です。漫画化、アニメ化、実写映画化もされましたし、とにかくどれかに触れてもらえれば、原作をプレイしたくなること間違いなしです!