いま、会いにゆきます / いまあい / Be With You

いま、会いにゆきます / いまあい / Be With You

『いま、会いにゆきます』とは、市川拓司による恋愛ファンタジー小説を2004年に映画化したものである。秋穂巧(あいお たくみ)は、息子の祐司と二人で暮らしていた。妻の澪はすでに他界しており、「一年後の雨の季節になったら戻ってくる」と言い遺していた。実際に澪は一年後の梅雨の到来とともにあらわれたが、記憶をなくしていた。次第に家族としての生活を取り戻していく三人。しかし雨の季節はいつまでも続かない。この物語は、ファンタジー要素をとり入れつつも家族の愛、そして女性の強さを感じられる作品となっている。

いま、会いにゆきます / いまあい / Be With Youのレビュー・評価・感想

いま、会いにゆきます / いまあい / Be With You
8

雨の時期に思い出す名作です

中村獅童と竹内結子が共演した事で話題になった名作です。すでに亡くなった妻が雨の時期に1度だけ戻ってくるという不思議な内容の話です。映画内では過去と現在のシーンが出てきますが、比較的シンプルに描かれているので、そこまで理解に苦しむ事はないと思います。また2人の間には子供が1人いるのですが、その子供の位置づけも絶妙で、主役の2人を際立たせる役割になっています。特に子供を持つ親世代にとっては、親目線、子供目線のそれぞれで感じる事があるのではないかと思います。また季節感も非常に良いテイストになっています。雨の時期がテーマになっているだけに、どちらかと言うと夏の時期の映像が多いものの、過去のシーンでは冬の時期もある事から時の経過を感じるのに良い味になっていると思います。クライマックスのシーンではひまわり畑の映像が出てきますが、その映像がとても綺麗で、挿入歌とうまくマッチしていて、「さすがクライマックス」と感じる印象的なシーンだと思います。是非、挿入歌と映像のマッチングにも注目してほしいと思います。さらに主役の2人以外にも、出演している役者さん達が非常に良い、味のある演技をされています。役者さんの演技に関しては、やや好き嫌いがわかれるとは思いますが、医師役の小日向文世さんの優しい演技には癒されると思います。

いま、会いにゆきます / いまあい / Be With You
7

親子愛を感じられるファンタジー要素のある必ず泣ける映画

この映画は、2004年に公開されたちょっと不思議で、心温まる恋愛物語です。
今は亡き竹内結子さんが主演で複雑な思いがします。一緒に主演を務めたのは中村獅童さんでした。
物語は、巧(中村獅童)と佑司(武井証)が暮らす家にバースデーケーキが届くところから始まります。
その日は佑司の16歳の誕生日でした。そして、時は過去に遡ります。
まだ、小学生で幼い佑司がいつもの廃墟で遊んでいると亡くなったはずの澪(竹内結子)が現れます。
日頃から、佑司は、「雨の季節になったらママが帰ってくるんだ」が口癖でした。
それは、澪が生前描いた絵本に、そう記載されているからです。しかし、澪は記憶を完全に失っています。
巧と佑司は澪を家に連れて行き、写真などを見せて納得させ、一緒に暮らすようになります。
そして、巧は澪に二人の出会いや愛を育んだ思い出話を語り、二人は徐々に信頼関係を深めます。
しかし、澪はあることがきっかけで、自分が死んでしまっていることを知ります。
そして、雨の季節が終わったら消えてしまうことも知るのです。
とうとう、雨の季節が終わりを迎えます。梅雨明けに気が付いた、巧と佑司は、澪が消えるはずの廃墟に走ります。
なんとか間に合った二人は、澪にあいます。
このシーンが感動的なのですが、澪が佑司に対して「佑司は幸せを運んできたの、佑司、素敵な大人になってね。パパのこと、お願いね 」というシーンはとても泣けました。
一方、巧は「ごめんね、君を幸せにしてあげたかった、僕は、澪を幸せにできなかった」と言いますが、
澪は「よく似た親子だな、あなたのそばにいられたことが、私にとっての幸せだったのよ」と語るのですが、そのシーンは大号泣でした。
最後の15分は、なぜ、雨の季節に澪が現れたのかについて丁寧に解説されていましたが、タイムスリップというオチは意外性があり面白いと思いました。ラストの電車の中の澪のシーンは、自分が死ぬと分かっていながらも巧の元に向かっているんだなと考えるととても感動しました。

いま、会いにゆきます / いまあい / Be With You
10

心温まるラブストーリー

土井裕泰さんがメガホンを取り、中村獅童さんと竹内結子さん、武井証君が主演をつとめた、切ないながらも感動するラブストーリーです。このストーリーはある朝家にケーキが届くことから始まります。そのケーキはすでに亡くなった澪が息子の佑司のために、息子が16歳になるまで毎年ケーキを送るように予約していたものでした。そして、時は12年前に遡ります。実はその時に父親の巧と佑司の間に不思議なことが起こったのです。それは、1年前に亡くなったはずの澪が現れたことです。澪は生前に佑司のために手作りの絵本を作っていました。そこには、亡くなった人はアーカイブ星にいて雨の季節になると戻ってくることが描かれていました。実際、その通りになったのです。しかし、戻ってきた澪は、自分の名前も自分が巧と結婚していた事実も知りません。結婚写真を見せるなどして彼女を納得させます。巧は脳内の化学物質が正常に分泌されない病気を抱えていました。そのため、人混みが苦手で料理もうまく作れなかったのです。そのため、巧と佑司は澪の料理に喜び束の間の幸せな生活が始まります。澪は生前に佑司と一緒に宝箱を埋めていました。ある日、それを森で見つけます。その中には、澪の日記帳が入っていました。それを読んだ澪は、自分が死んでしまう運命であることを知ります。それを知った澪は、佑司に家事を教え始めるのです。そして、ケーキ屋さんにいき今後12年分のケーキを注文します。巧と佑司は、澪が書いた絵本にて、雨の季節が終わると澪がアーカイブ星に帰ってしまうことを知っています。そして、佑司は学校で晴れ間が差してきたことに気づき、巧も職場の天気予報で梅雨明けをしります。特にこのシーンでの佑司が言った「僕、どうしても帰らないと」というセリフがとても泣けます。佑司は家について澪に抱きつきます。そして、二人は廃工場に向います。巧が帰宅した時には澪はすでに廃工場にいます。巧は廃工場に向かい澪と会います。そして、とうとうお別れとなるのです。佑司は、澪が自分を産んだせいで死んだと思っていました。そのことを謝ります。それに対して澪は、「そんなことない、これっぽっちもない」と語ります。さらに「佑司は望まれて望まれて、生まれてきたの」とも語るのです。巧は、澪を幸せにさせられなかったことを謝るのですが、「あなたのそばにいられたことが、私にとっての幸せだったのよ」と語り、消えてしまいます。
その後、澪が目を覚ますシーンとなりますが、そこは病院のベッドでした。彼女は交通事故に遭い、そのショックで9年後にタイムスリップしたのです。彼女は、将来、巧と結婚し佑司という可愛らしい男の子ができるという未来の出来事を覚えています。そのおかげで、澪は一度別れてしまった巧に連絡を取りひまわり畑で会います。この時に、自分に自信がない巧に対して、澪は「私とあなたはずーっと一緒なの、そう決められてるのよ」と語りキスします。そして二人は結婚することとなるのです。