電撃デイジー / Dengeki Daisy

電撃デイジー / Dengeki Daisy

『電撃デイジー』は、最富キョウスケ作の少女漫画である。2007年から2013年にかけて漫画雑誌『ベツコミ』に連載されていた。主人公の女子高生、紅林照と、照を「下僕」と呼ぶ不良校務員、黒崎祐、そして謎の人物「DAISY」を中心に、照の兄の死の裏に隠れた大きな事件の謎にせまる。少女漫画でありながら、恋愛、コメディー、友情に加えてバトルあり、サスペンスありとさまざまな要素が織り込まれ、2010年には同雑誌が誇る4大作品「BIG4」にも選ばれた人気作である。

電撃デイジー / Dengeki Daisyのレビュー・評価・感想

電撃デイジー / Dengeki Daisy
10

少女マンガと侮るなかれ!ギャグあり、ハラハラあり!キャラが魅力的!

既に完結している作品ですが、古さを感じさせない作品です。また、少女マンガですが、男性が読んでも面白いと思います。メインキャラクター含め、脇役もキャラが濃くて魅力的で、最終巻のサイドストーリーまで楽しめます。天涯孤独だが明るく生きる女子高生『照』と、それを見守る天才ハッカー『黒崎(デイジー)』。照が天涯孤独になったのには、黒崎の過去が絡んでおり、最初からデイジーの正体が読者には分かっているし、何となく照も気づいている。正体が分かってからも、二人は関係を続けたいがために、気づかないふりをする。そんな様子が読者にはたまらない!照もただ守られるだけじゃなく、実は頭がいいのに抜けていたり、女性としての魅力がちょっぴり足りなかったり。黒崎も、照を大事に思う気持ちがダダ漏れだけど、ロリコンと自分で認めちゃったり、かなりヘタレの部分があったりと、少女マンガにありがちなベタなヒーロー、ヒロインでないのがいい!
後半は黒崎のハッカーとしての過去が照も巻き込んだ事件に発展するも、重たくなりすぎない程度にギャグも散りばめられて、一気に読めます!そして、随所で出てくる、亡くなった照の兄『奏一朗』の言葉が名言で名言で…映像化については賛否両論があると思いますが、もし実写化されるとしたら、主人公の照は橋本環奈さん、黒崎は横浜流星さんが私はピッタリだと思います!

電撃デイジー / Dengeki Daisy
10

キュンキュンが止まらない

天涯孤独な女子高生の照と、金髪公務員の黒崎との恋愛模様がたまらなくキュンキュンします。
照の心の支えであるDAISYが実は黒崎だという真実に辿り着くまでの距離感と、DAISYの正体を知ってから縮まった2人のそれが、とてもゆっくり進展していくので、ドキドキが止まらないです。2人のやりとりはコントのようなものも多いのですが、照がピンチのときはいつも黒崎が、黒崎が思い悩んだら照が、決まってお互いを支えている姿が尊いです。
いつも守られているばかりのように見える照ですが、逆に照の存在のおかげで黒崎が過去を乗り越えていく姿が、2人の絆の深さを感じさせてくれます。そんな2人の周りにいる大人や友達がとても温かくて、照と黒崎の人望の厚さが伺えます。
でも、ただ甘いだけの恋愛漫画じゃないところが電撃デイジーの魅力だと思います。ハッキング、コンピューターウイルス、機密データなど、少女漫画にしては珍しい世界観で、大人が読んでもとても読み応えがあります。2人の恋愛を邪魔する存在(恋のライバル)が出てくるのではなく、2人にとって大事な人の死であったり、その原因を作ってしまった黒崎の過去が、2人に試練を与えていて、すごく深い内容です。
照と黒崎がなかなか進展しない、あの距離感を作り上げた作者は天才だと思います。