「さすが幾原邦彦監督」の一言に尽きます
「輪るピングドラム」を手掛けた幾原邦彦監督による本作品は、監督ならではの独特な世界観と散りばめられた伏線、後半の怒涛の急展開に目が離せない作品です。コミカルで可愛らしいカッパによるダンスと歌でギャグアニメ感があるものの、話数を重ねるごとに発覚する主人公らの真実や秘密にしていたことが明かされ、次々と話が繋がっていくと胸が苦しくなるような展開に脳をかき混ぜられるように衝撃が走ります。サブタイトルも意味深なものが多く、ED前にサブタイトルを出すことで意味が理解できたり、刺さるものがありました。ファンの間でも様々な考察が繰り広げられており、それを踏まえて改めて見返すと「その伏線はそういう意味だったのか」「ここに繋がるのか」と見るたびに新しい発見があり、見飽きることはありません。むしろこの見方をすることで、幾月監督特有の難解な作風を楽しめ、監督が伝えたいことが分かります。「つながり」がテーマとなっている本作品はSNSが普及した現代社会ならではのTwitterを用いた演出もあり、まさに人の繋がりを表現している作品です。それだけではなく、自己犠牲について考えさせられる内容です。騙されたと思って見てみてください、きっと監督の世界観にハマります。