グリーンマイル / The Green Mile

グリーンマイル / The Green Mile

『グリーンマイル』とはホラー小説家スティーヴン・キングのファンタジー小説が原作で、1999年にアメリカで公開されたフランク・ダラボン監督の映画。トム・ハンクスなどの豪華キャストで製作された感動傑作で、2000年度のアカデミー賞で4部門にノミネートされている。物語は1935年のある刑務所の死刑囚棟が舞台で、主人公は看守主任のポール。そこに死刑囚として送られてきた不思議な力を持つ大男の黒人ジョンと、他の看守や死刑囚、ネズミのMr.ジングルスたちとの交流を描いたファンタジーヒューマンドラマである。

グリーンマイル / The Green Mileのレビュー・評価・感想

グリーンマイル / The Green Mile
9

スポンジのシーンが

スティーブン・キングって、ホラー作家かなと思っていましたが、こういう話も書くのだなと思いました。
人の病気を吸い取る不思議な力を持つコーフイという黒人が、冤罪で命を落とす。
冤罪とわかってもどうしようもない看守たちの気持ちを思うと、いろいろ考えさせられます。
いろいろと、印象的なシーンの多い映画ですが、私はやっぱり、スポンジのシーンが怖くて印象に残っています。
コネ入社で嫌な奴で、しかもあんなことまでするなんて、パーシーは最悪です。
まあ、パーシーもスポンジを濡らさないだけであそこまで悲惨なことになるとは思ってなかったんでしょうが、ひどいです。
映画の後半、パーシーはひどい目に遭いますが、同情できませんでした。
主役のトム・ハンクスはあまり印象に残らなくて、それは残念なことかもしれませんが、そういう普通のきちんとした職業倫理の持ち主の役だったのでしょう。
コーフィももっと自分の冤罪を訴えかければいいのに、いろいろ疲れていたのかなと思うと可哀想です。
彼が犯人でなくても、2人の少女は凄惨な殺され方をしているし、やっぱりスティーブン・キングは怖いなと思いました。
ちょっと長めの作品なのですが、なかなか面白い作品でした。

グリーンマイル / The Green Mile
9

刑務所を舞台に繰り広げられる感動ストーリー

この映画は、老人ホームに入所しているポール・エッジコムが、昔勤めていた死刑囚監房の看守をしていた時代のことを語り始めることから始まります。そして舞台は、ポール・エッジコムがまだ若かった頃の1935年に移ります。ポールの同僚にはブルータス、ディーン、ハリー、パーシーがいます。そこに、新しい囚人としてジョン・コーフィーが入所します。ジョンは大柄な体でしたが、優しい性格なのです。ある日、監房でブルータスがネズミを発見します。そのネズミは、同じく死刑囚のエデュアールが、ネズミにジングルズと名付けて可愛がります。その後、ポールの尿路感染症が悪化していきます。実は、死刑因のジョンには不思議な力があります。手のひらをかざすだけで、人の病気や怪我を直してしまうのです。尿路感染症に悩まされていたポールの股間に手を当て病気を治してしまいます。
エデュアールの処刑が近づく中、エディユアールはジングルズの将来をとても心配します。しかし、パーシーがジングルズを踏み潰して殺してしまうのです。そんな時もジョンが力を発揮します。死んでしまったジングルズを掌にとり包み込むようにすることで、ジングルズは生き返るのです。このシーンは最も感動するシーンでした。
一方ジングルズ可愛がっていたエデュアールの処刑が行われます。パーシはジングルズをネズミ園に連れていくと言った上に、頭に濡れスポンジを乗せない状態で、死刑台の電流を流します。実は濡れスポンジがないととても苦しむのです。そのせいでジングルズは逃げ出してしまいます。その後、ジョンの能力を知ったポールは、所長のハルの妻の病気を治すため、異例なジョンへの外出命令が出ますが、これは極秘裏に行われました。そこでも、ジョンは能力を使い病気を治してしまうのです。
いよいよ、ジョン処刑日が近づいてきます。死刑執行を躊躇うポールでしたが、ポールはジョンと握手して執行を宣言します。
ここで、舞台は再び現代に戻ります。老人になったポールは、エレインによりポールの年齢が合わないことを指摘されます。実はポールはジョンから長寿を授かっていたのです。また、ジングルズについても長寿が授けられていて、ラストシーンにて恒例のジングルズが登場するところは最大の感動ポイントです。

グリーンマイル / The Green Mile
8

人は誰しもグリーンマイルを歩んでいる

1930年、主人公のポールは刑務所の死刑囚のみが収容されるエリアの看守長として働いているが、彼は重い尿路感染症の痛みと、州知事の甥という立場を利用して勝手気ままにふるまう新人看守パーシーに悩まされていた。そんなポールのもとに二人の娘を強姦し殺害した大柄な死刑囚ジョンが収容された。ある日ジョンは尿路感染症の痛みに苦しむポールを手を触れただけで治療してしまう。ジョンには病を癒す特殊能力があったのだ。ポールは自分の病を癒してくれたことでジョンの殺人に懐疑的になり、ジョンを神の使いではないかと考えるようになった。そんな中家族ぐるみで付き合いのあった刑務所所長のハルが妻のメリンダが手術不可能な脳腫瘍に侵されているという話を聞いたポールは仲間を説得し、ジョンの能力でメリンダを救い出すことに。メリンダの病を吸い込んだジョンはそれをパーシーに移し、錯乱状態となったパーシーは新しく入った死刑囚ウォートンを射殺。パーシーは精神異常と診断され、精神病院送りとなった。ジョンは自分の能力を使いウォートンが二人の娘を殺害した真犯人であると伝えた。ジョンは冤罪であったと知るポールだが、冤罪を覆す証拠は見つからず、ジョンはポール達の手で死刑が執行されてしまう。その後ポールは100歳を超える長寿となっていた。ポールはジョンという神の使いを自らの手で処刑したことの罰としてこの先も生き続けるだろうと考えていた。しかしかつて刑務所で呼ばれていた牢獄から死刑執行室までの緑の廊下通称「グリーンマイル」。自分の「グリーンマイル」は長すぎないでしょうかと神に問うポールであった。スピルバーグ監督が何度も号泣してしまったと言うのが理解できるとても深い映画であったと感じました。