わたしを離さないで(ドラマ) / Never Let Me Go

わたしを離さないで(ドラマ) / Never Let Me Go

『わたしを離さないで』とは、日系イギリス人のカズオ・イシグロが2005年に発表した長編小説で、日本ではTBS系列で放送された脚本・森下佳子によるテレビドラマである。「臓器提供」を目的としてこの世に誕生した「クローン人間」の子供時代から始まり、成長とともに人生を受け入れ、全うしていく姿がドラマの中で主人公の恭子、友彦、美和の姿を映しながら描いていく。見どころは、作品の中では、現実の人物に近いキャラの恭子が自分の人生を振り返りながらすべてを受け入れ「生きる」ことに前向きになるという作品になっている。

わたしを離さないで(ドラマ) / Never Let Me Goのレビュー・評価・感想

わたしを離さないで(ドラマ) / Never Let Me Go
8

この命は誰のために生まれてきたのか。

『Never Let Me Go』は2010年公開のイギリス映画です。原作はカズオ・イシグロのSF小説で2005年に発表されました。
ある寄宿学校で暮らすキャシー、ルース、トミーの3人を中心として物語は進みます。一見、映画の始まりは子供たちが平和な毎日を送るスクールライフのように見えますが物語が進むにつれてその平和とは真逆な世界で彼らが暮らしていることに気づきます。実は、寄宿学校ヘイルシャムで暮らす子供たちは皆クローン人間であり、生まれた瞬間から臓器提供のために育てられていました。大人になる前にその一生を終えるという使命を子供たちは小さなころから寄宿学校の先生、もとい「大人」達に教え込まれ、誰しもがその使命を受け入れ生活しているのです。キャシー、ルース、トミーが幼いながらにもその使命を知り、彼らの人生が終わるその時までを一生懸命に生きる姿がこの物語を見る人々に徐々に絶望を与え、命の儚さを訴えかけてきます。映画の途中で彼女らがクローンであることを忘れるくらい彼女らの「人間らしさ」を痛いくらいに感じさせられます。クローンではありますが、見た目も人間と変わらず自分自身の考えも持った少年少女達がその最期をどのように終えるのか。ぜひ、自分自身の目で見て知っていただきたいです。