日本で一番悪い奴ら

日本で一番悪い奴らのレビュー・評価・感想

日本で一番悪い奴ら
8

絶頂から転落人生を描いた警察史上最大の不祥事を実話化した綾野剛の代表作品映画

2002年に北海道で起こった“日本警察史上、最大の不祥事“と呼ばれた「稲葉事件」をモチーフにした警察とやくざ社会の癒着を暴いた映画。覚せい剤取締法違反容疑などで逮捕され“黒い警部“と呼ばれた北海道警察の警部が、逮捕されるまでの26年間が描かれる。主人公の諸星要一(綾野剛)は、大学時代に鍛えた柔道の腕前を買われて北海道警の刑事となった。諸星は無邪気で強い正義感を持ち合わせているが、なかなか警察としての成果が上がらない。そんな中、先輩刑事の村井(ピエール瀧)から、「刑事は点数、点数稼ぐには裏社会に飛び込み『S』(スパイ)を作れ」と教えられ、夜の繁華街や暴力団と密接な関係を持ちながら、やらせ逮捕、おとり捜査、拳銃購入、覚せい剤密輸とあらゆる悪事に手を染め、上司からの難題を次々と解決していく一方で自らも覚せい剤に手を出してしまい、絶頂期から一気に転落してしまう。上司ピエール瀧、暴力団幹部の中村獅童などの個性派&実力派が脇を固め、劇中で体重を10キロ増減させ、酒を顔に塗りむくませながら挑んだ綾野の壮絶な演技に引き込まれるだろう。この映画で綾野剛は第15回ニューヨーク・アジア映画祭 ライジングスター賞と第40回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞を受賞し、この作品は綾野剛の代表作品となった。

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9

綾野剛の演技力に驚かされました

本作品は2002年7月に北海道で実際に起きた『稲葉事件』をモチーフに描かれています。
現役警察官である綾野剛演じる「諸星要一」を軸に警察署内の汚職、暴力団との協力を経て、上司による圧力を何度も掻い潜り自身の点数稼ぎを行っていきます。

諸星要一は大学時代に柔道を鍛え、その功績が讃えられて刑事の道へ進む事になっています。
とある先輩刑事との出会いで、彼はS(スパイ)を裏組織の人間の中で作り着々と悪事に手を染めていくのです。そして彼は実績を作っていき昇進。
職場の上司も全てを知りながら点数を稼ぐために諸星に次々と仕事を頼んでいくのです。

見えない重圧、人間関係の悪化が進行する中、交際女性が大麻を使用、仲間は報酬が支払われない事による不満の爆発など、面倒見の良い諸星にとっても散々な思いをさせられながら、物語は進んでいきます。
遂には諸星本人が大麻に手を染めます。この大麻を使用した諸星=綾野剛の演技力が神がかっています。
彼が特撮番組に出演していた時とは全く違う演技力。誰もが驚くこと間違いなしです。

そして今のような人気を博す少し前の綾野剛さんの役どころはクールや無口などの役柄が多かったと思います。今作の彼は割と明るい青年から、段々と悪い大人になっていくのが、物語に進むにつれ感じられる事でしょう。