それでも町は廻っている / それ町 / And Yet the Town Moves

それでも町は廻っている / それ町 / And Yet the Town Moves

『それでも町は廻っている(それ町)』とは、『ヤングキングアワーズ』にて2005年5月号から2016年12月号まで、石黒正数によって連載されたマンガ、およびそれを原作としたアニメ作品。
東京の下町を舞台に主人公である嵐山歩鳥を中心とした日常系ドタバタコメディ。そのほとんどが1話完結で、テンポがよくスピード感がある。
物語の舞台は東京の下町にある商店街。昔ながらの人情溢れる商店街をメインの舞台とした日常が、主人公の女子高生・嵐山歩鳥を中心としたコメディタッチのマンガで描かれている。

それでも町は廻っている / それ町 / And Yet the Town Movesのレビュー・評価・感想

それでも町は廻っている / それ町 / And Yet the Town Moves
10

表紙と最初の方と、すべて読み切った時とは印象が違う

奇才、石黒正数の作品です。
1巻表紙はメイドの女の子です。
秋葉系(これも偏見ですが)な感じかと思って敬遠していました。
しかし、ふと読む機会があり読み込んでいくと、初めの方はただの女子高生の一話完結系のドタバタコメディだと思っていたのですが、他の話に出てきたものが、ふと部屋の棚に置いてあったり、良く考えると、前に読んだ話の後の話だと、気づきにくい伏線が多々引いてありました。
途中で時系列が前後したりしていることに気が付いたときは衝撃でした。
作者が伏線のことや、時系列のことはネタばらしをしていましたが、読んでる途中で、前に読んだ話に繋がる話だとか、読み返した時に気付くところなどもあります。気づいたときはなんだかうれしいものです。
SFちっくな話も結構あるのですが、そういう時はちゃんと話の大筋に影響しないような落ちになっているところも素敵です。
最終巻など後半は、どういう事だかわからないオチもあり、わからないことが悔しい感じもありました。
何度も読み返せる漫画です。
それと、攻略本的な本も出ています。
作者による全ての話の解説や時系列が載っています。
これを読み込むと、もう一度、最初から全巻読んでしまいますよ。

それでも町は廻っている / それ町 / And Yet the Town Moves
10

最高の漫画、それ町

『それでも町は廻っている』は、女子高校生の主人公・嵐山歩鳥を中心とした日常と少しの非日常を描いたジャンル分けが難しいが、間違いなく面白い漫画です。
作者の石黒正数さんはSFやミステリーが好きな方なのか、漫画の随所に小ネタやミステリー展開などがちりばめられています。
漫画は最初は日常コメディなかんじで始まりますが、巻数が増えていくと、人気も出て作者の好きなことができるようになったのか先述のミステリー展開などが入ってきます。それがよく考えられており、引き込まれます。
また、この漫画は意図的に各話の順番を入れ替えています。具体的には主人公が2年生の時の話の次が1年生の時の話になり、その次では3年生の話になったりします。何年生の話なのかはヒントなどがあるのでよく読めば分かるようになっています。このような構成なので、先ほど述べた小ネタなどと相まって、繰り返し読むとその度に新しい発見がある漫画です。
登場人物もみなキャラクターが立っており、本当に日本のどこかにいるような、生きているようなかんじで描かれており、その部分も作品のクオリティーを上げている要素だと思います。
巻数も全16巻で集めやすく、読みやすいちょっと手を出すには本当にちょうど良い漫画かなと思います。