ゆったりとした時間の流れが感じられる、日常まったり系の映画
この映画は、京都の街を舞台に繰り広げられる、日常系の映画です。街の中にある、行きつけのお店の奥で流れている普段の日常生活が、少しずつ見えてくる、そんなストーリー展開になっています。
ご近所さんたちと関わりあうときの会話から伺える、街の景色が、京都の景色と重なり合って、いい意味で京都らしさを上手に伝えている映画だと思います。
京都の街の一角に存在する豆腐屋さん。カフェや銭湯、夜に営業するバーなど、それぞれのお店の店長たちが次第に顔見知りになっていく過程は、なぜかとてもほのぼのとしてしまいます。
人生の教訓らしき流れも、ストーリー内ではあるのですが、それが変に重たくならずに、ただ自然に流れる時間に任せている感じが、観ている人に安心感を与えているように見えます。
店長たちが、日々口にしている食事や、店内で出される料理など、日常には欠かせない要素を丁寧に描き出し、視聴者を魅了してくれます。
映像を観ているだけで、そのコーヒーの香りや、料理の味、お酒のほろ酔い感までが伝わってくるようで、登場人物たちが住む街の中にすぐに入れ込める、感情移入が楽な映画です。
京都の街が、いかに人間関係を大事にしているか、そんな視点から映画を観ると、「無理のない関係」の中にそれは存在するのかもしれない、ということが伝わってくるようでした。