イントゥ・ザ・ワイルド

イントゥ・ザ・ワイルドのレビュー・評価・感想

イントゥ・ザ・ワイルド
10

幸せの意味

俳優ショーン・ペンが監督をした実話を元にしたドラマです。第80回米アカデミー賞では2部門にノミネートされました。物語はアメリカの裕福な家庭に育ち、優秀な成績で大学を卒業した主人公が、両親への嫌気、そして自らの決まったエリートへの将来に疑問を持ち、誰にも告げず全てを投げ捨ててアラスカへの一人旅に出るところから始まります。預金も全額寄付し、身分証も自ら捨て、別人となってまさに裸一貫で旅をすることで、それまで出会うことのなかった人々との交流、価値観を学んでいく主人公の姿は、職場と家の往復で代わり映えのない毎日を過ごしている人にとっては新鮮で、憧れてしまいます。そしてアラスカにたどり着いた主人公が、一人での暮らしに限界を感じ、その中でたどり着いた「Happiness is only real when shared(幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時だ)」という境地は、たとえ強がっていても、結局は誰もが誰かと繋がり、支え合うことが人間としての本質であり、大事なことなのだと感じました。物語のラスト、主人公は残念ながらアラスカで息絶えてしまうのですが、作中で発せられる言葉が旅の風景などと相まって、観終わった後には深く心に刻まれる作品です。

イントゥ・ザ・ワイルド
10

人生、親との関係に悩むあなたに見てほしい。

自分の人生と照らし合わせてみることができ、深く考えされられる映画だと思います。
親とのわだかまり、親への反感、親に敷かれたレールの上を歩く人生を子供の義務として大学卒業まで歩んできた主人公。卒業後は、自分の本来の人生を歩もうと計画し、大学卒業式の後に家族に何も告げず家を引き払い旅に出る。最終目的地は、アラスカ。
これは1992年に起きたノンフィクションの映画です。

主人公の親は、よく家の中では喧嘩をしますが、外では仲の良い夫婦で世間体が一番大事という考えを持っており、子供にとっては辛いです。こういう家族の中で育てられた主人公は、自分の思いを胸に秘め大学まで卒業します。そして卒業したすぐその日から、今まで抱えてきた心のわだかまりを解決するため、自分を取り戻すため、一人バックパック一つで旅にでます。旅の最終目的地は、アラスカ。
旅の途中で、様々の人に助けられ、また様々な人を助け旅をし続けます。その中で出会う人たちもまた、人生に悩んでる人でした。
やっとたどり着いたアラスカの地。生きていくためには、生きている動物を殺さないとならない。自分一人で、必死にアラスカという荒野の中生きていくことは過酷でした。
アラスカという自然以外何もない荒野で、一人で生きる幸せを探し何かの答えを探そうとしていた主人公。

愛するということ、人生の幸せとは誰かと共有すること、親は子供の事をとても愛しているということ。
こういう事に、主人公は気づかされたのではないかと思います。

アラスカの土地で最後にわかった幸せとは、人生とは。
ぜひ一度見て感じてほしいです。