イヴの時間

イヴの時間

『イヴの時間 Are you enjoying the time of EVE?』とは、2008年8月にWEB配信された、スタジオ立花制作のアニメーション作品。2010年3月に、再編集されて映画として劇場公開された。
物語の舞台となるのは、人間が日常的に人間型ロボット「アンドロイド」を家電として使う時代。高校生の向坂リクオも、幼い頃からの教育で当たり前のようにアンドロイドを機械として扱っていた。しかし、人間とロボットを区別しない喫茶店「イヴの時間」を訪れたことをきっかけに、彼のロボットに対する考え方に変化が生まれる。
本作は東京国際アニメフェア2010・第9回東京アニメアワードでOVA部門の優秀賞を受賞。また、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の審査員推薦作品となっている。

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イヴの時間のレビュー・評価・感想

イヴの時間
9

人とのつながりなどを考えさせられる物語

もともと、ショートアニメだったものが劇場版として一つにまとめられたものになります。
舞台は、近未来の日本のような場所で、人の形をした召使のようなロボット、「アンドロイド」と人間が同じ家で暮らしているSFのような世界でのお話です。
主人公は、ごく普通の、しかしとある事情で夢をあきらめてしまった少年です。
その少年は、人の姿をしているアンドロイドに思わず人のように接してしまいますが、その様子を見た姉からキモがられる。この世界では、アンドロイドに対して精神的に依存している人をドリ系などと呼び、問題視されていた。このように、世界に奥行きがあり、時代背景があり、細かいところまでよくできています。また、社会問題として、ロボットの不法投棄や不法投棄されたロボットが徘徊してしまうというものもあります。

ロボット、アンドロイドという世界観というと、SFに寄った作品が多いですが、これは戦争もしないしロボットで戦ったりもしない作品です。
ロボット・アンドロイドといえど、人とつながりを持ち、人と同じように考えたり悩んだりするのです。まるで人と人のつながり方そのものを描いているような作品です。
他にもたくさんのメッセージが詰まっており、何度視聴しても前に見た時とは違うことを感じたり考えさせられる不思議な魅力の詰まった作品です。