シガー・ロス

シガー・ロス

シガー・ロス (Sigur Rós)とは、アイスランドのポストロックバンド。1994年に結成され、アイスランド語や「ホープランディック(希望語)」と呼ばれる造語を用いた浮遊感のあるボーカル、ギターをチェロの弓で弾くボウイング奏法、そして壮大かつ神秘的なサウンドスケープで世界的な評価を確立している。バンド名は結成日に誕生した中心人物、ヨンシー・ビルギッソンの妹の名(Sigurrós=勝利の薔薇)に由来する。1999年のアルバム『アゲイティス・ビリュン』で世界的な成功を収め、その後も『( )』や『Takk...』といった名盤を次々と発表。2005年にはフジロックフェスティバルに出演するなど日本でも根強い人気を誇る。メンバーの脱退や復帰を経て、ヨンシー、ゲオルグ・ホルム、キャータン・スヴェインソンの3名を中心に活動を続けている。

シガー・ロスのレビュー・評価・感想

シガー・ロス
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Sigur Rosによる、Sigur Rosのための1枚 - ファーストアルバム「Von」について

アイスランドで結成されたSigur Rosは、1997年に記念すべきファーストアルバムである「Von」を発売しました。けれど、当時「Von」はたったの数百枚しか売れなかったという話があります。いまや彼らは世界的なミュージシャンであり、現在でこそ「Von」もアイスランドのプラチナ・レコードとして認められていますが、彼らの美しく大自然を想わせるような音楽を期待して聴くと酷い目に遭う、そんな1枚です。「Von」は「希望」という意味を表す言葉だそうです。しかし、このアルバムから聴こえてくるのは悲鳴やサイレン、雑踏やノイズなど、希望とはかけ離れているように思える音ばかりです。しかし、そのような雑音とも思えるような音の中には確かにSigur RosをSigur Rosたらしめている響きが紛れています。現在のSigur Rosは、間違いなくここから始まっているのだと確信できる、そんな1枚となっています。Sigur Rosの心地よい音楽が好きな人や、SigurRosを聴き始めたばかりの人には決しておすすめすることはできません。しかし、彼らのことを、彼らの音楽をより深く知りたい、理解したいと思う人は必ず聴くべき1枚です。非常に難しい作品です。