プロジェクトA

プロジェクトA

『プロジェクトA』(中: A計劃、英: Project A)は、1983年に香港で公開された映画。主演、監督、武術指導、脚本はジャッキー・チェン。日本での公開は1984年2月25日。1900年代のイギリス植民地下の香港を舞台に、水上警察と陸上警察が反目しながも、協力して海賊を倒すアクション映画である。

プロジェクトAのレビュー・評価・感想

プロジェクトA
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物語構成の教科書に娯楽カンフーアクション映画の金字塔をどうぞ!

監督・主演・脚本ジャッキー・チェンの1983年作品。
ドラゴン(ジャッキー・チェン)が隊長を務める沿岸警備隊が海賊退治を命じられるが、ジャガー(ユン・ピョウ)が隊長を務める警察と酒場で大乱闘を演じ、その上軍艦を海賊に爆破されてしまう。沿岸警備隊は解散させられ、ドラゴン達は警察に異動。最初は反目しあっていたが、海賊との戦いを経て仲間意識が芽生え、やがてイチかバチかの海賊討伐作戦「A計画」を実行するに至る。

ジャッキー・チェンのデビュー10周年記念作品として公開された本作は、ファンの間でトップクラスの人気作品です。
有名な時計台からの落下シーンに代表される過激なアクションがとかくフォーカスされがちですが、その実細部まで計算された巧妙で無駄のないストーリー構成と演出が肝であると断言できます。
海賊の財宝を狙い、失意のドラゴンを利用する盗賊フェイ(サモ・ハン・キンポー)。その企みに気付き裏をかくドラゴンだが、結果フェイと仲良く(?)海賊達から逃げ回る羽目になる。海賊の合言葉に振り回されるジャガー。絶体絶命のピンチを巧みな話術で切り抜けるドラゴン等々、1シーン1カット軽妙なギャグやアクションを織り交ぜつつ巧みに構成されており、105分飽きることなく見せてくれます。
チャップリンをはじめとする無声映画のドタバタコメディを手本にしているというジャッキーの才覚が、遺憾なく発揮されていると言えるでしょう。ちなみに時計台のシーンはハロルド・ロイド主演『ロイドの要人無用』(1923年)のオマージュです。
特にこれから映画や漫画など物語作品を作ろうと思う人は、繰り返し観ることをお勧めします。格好のテキストになるでしょう。

プロジェクトA
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ジャッキー・チェンの最高傑作!

ジャッキー・チェン監督、主演作品。出演:サモ・ハン、ユン・ピョウ

ドラゴン(ジャッキー・チェン)が所属する水上警察は、ヘマばかりで大事な戦艦さえも爆撃されてしまい、ジャガー(ユン・ピョウ)率いる陸上警察と合併させられてしまう。はじめは、いがみ合いながらも、海賊に捕らわれた海軍提督を救出するため、ドラゴンと腐れ縁の泥棒フェイ(サモ・ハン)、ジャガー隊長は海賊のアジトに乗り込んでゆく。

ジャッキー入魂の一作で、大規模なセットや激しいアクションにより撮影は約一年を要した(普通の映画は3~4ヶ月)。ジャッキー、ユン・ピョウ、サモ・ハンの三銃士が共演した作品のなかでもとりわけ評価の高い作品である。
特に、有名なシーンが時計台からの落下場面である。ジャッキーは、高さ二十メートルはある時計台からクッションもない地面に落ちる。途中にシェードが二枚掛かっていて緩衝材にはなっているが、常人ならばよくて重傷、間違えば死んでしまうような高さである。そして驚くべきは、ジャッキーはこのシーンは三テイク撮ったのである。一回目の撮影で、彼は頸椎損傷の重傷を負ったが、すぐに退院してまた時計台から落ちたという。
ジャッキー・チェンの映画への、あくなき情熱が詰まった一作。ぜひご覧ください。

プロジェクトA
8

何度見ても楽しめる作品

1983年に香港で公開されたアクション映画作品で、主演・監督・脚本・武術指導をジェッキー・チェンが担当していることも特徴です。
20世紀初頭の香港で、我が物顔で暴れまわる海賊に反目してばかりだった水上警察と陸上警察が最終的に力を合わせて戦うあらすじで、ジャッキーの盟友であるアクションスター、サモハン・キンポーやユン・ピョウらも加え、徹底的に娯楽要素満載の作品となっています。

なんといっても本作で有名なのがジャッキーが高い時計台から落下するシーンで、ジャッキー大けがを負ってまで披露したシーンだけに中盤ながらも本作最大のクライマックスと言えます(クレヨンしんちゃんや銀魂などのギャグ作品でパロディネタも見られるほど)。また本作のテーマ曲は日本のTVでもよく使用されていて、作品を見てなくてもテーマ曲は聞いたことがあるという人も多く、本作は日本においては「酔拳」と並ぶジャッキーの代表作としての地位を確立しています。本作はどうしてもジャッキーの高台落下に目が奪われてしまいがちですが、それ以外にもコミカルな要素満載のストーリーや(ジャッキー映画のお約束なのですが)全編繰り広げられるアクション、ジャッキーとサモハンとユンピョウの共闘など娯楽要素満載で何度見ても楽しめる作品になっています。