サガ スカーレット グレイス / SSG

サガ スカーレット グレイス / SSG

『サガ スカーレット グレイス』とはスクウェア・エニックスより発売されたPlayStation Vita用ゲームである。最大の特徴は「タイムラインバトル」と呼ばれる戦闘方法にあり、「戦闘がイベント」と言われるほどにバトルシステムに力を入れた作品となっていることが挙げられる。さらにはRPGでは当然のようにある「ダンジョンの探索」という要素をバッサリと削除しており、従来の『サガシリーズ』同様、新たな試みが多数見受けられる作品となっている。

サガ スカーレット グレイス / SSGのレビュー・評価・感想

サガ スカーレット グレイス / SSG
8

一味違うRPG

スクエア・エニックスの代表的RPGサガシリーズで、PS4バージョンです。PS Vita版が先に発売され、バージョンアップしてPS4に移植されていますので、今からプレーされる場合はPS4の方をお勧めします。
4人の主人公から1人を選んでプレーするのは今までのサガと同じ感じですが、最大の特徴は戦闘の異色さと難しさです。戦闘のシステムは、味方の行動入力前に敵、味方の行動の順番や敵の行動内容(一部カウンターとかだと???になっている場合もある)が分かっていてBPとよばれるポイント(技や術を使用すると消費)を各キャラに配分して味方の行動を決めます。
非常に戦略性があって、ある程度慣れてきても結構負けてしまいます。全滅しても、タイトル画面に戻るといったようなことはなく、もう一度その戦闘をリトライすることができます。運が絡むところもあり、初見で1回も全滅せずにクリアすることはまず無理なので、全滅することが普通と思ってプレーしないと、楽しさに気づく前に心が折れてしまうかもしれません。自分としては、戦闘がとても面白く、普段はクリアしたばかりのゲームをもう一度やることはほとんどありませんが、この作品では、別の主人公でもう1回クリアしました。
あと、サガシリーズ共通ですが、伊藤賢治さんの音楽も最高です。戦闘の音楽はどれもカッコよく、テンションがあがります。サウンドトラックのCDをレンタルしたかったのですが、見当たらなかったので購入までしてしまいました。

サガ スカーレット グレイス / SSG
10

手軽だけど味わい深い素晴らしいゲームです!

フリーシナリオRPGで、どこへ行くのも基本自由なゲームです。イベントシーンはすべて会話で、登場人物もそれほど多くなくシンプルなので、とても分かりやすくサクサク進めます。それでいて、重厚に練られた歴史や風土がしっかりと世界観を支えているのでとても味わい深いです。町で見ることのできる人形劇で、その世界観や神話について知ることができます。粋な演出です。主人公の4人もとても魅力的で、それぞれ出身や背負ったものが異なり、同じ世界を違った視点で楽しめます。それによってサガスカの世界を知るピースが脳内でカチッとはまる瞬間があり、それがたまらなく快感です。プレイする前はとりあえず主人公一人プレイすればいいかな、と思っていたのですが、気付けば4人すべてプレイしちゃいました。さらに言うと一人の主人公につき、いくつかエンディングのルートが用意されているので、それを見るために何回もプレイしました。周回ボーナスがあるので、苦もなく楽しめます。わたしはとくにバルマンテの物語が好きです。法定処刑人というおよそゲームの主人公らしくない職業に魅力を感じ、淡々と処刑の仕事をこなすクールさと渋さに惹かれました。戦闘中のキメ台詞も最高に渋いです。戦闘は完全ターン制コマンドバトルです。ただのコマンドバトルと侮るなかれ。1ターン毎に設定された技の使用上限値の中で、技を取捨選択し、敵味方の攻撃順とそこからいかに連携を繋げていくか、の戦略を練る頭脳戦。慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、だんだんと考えることが楽しくなってきます。ボス戦では1ターンの戦略を練るのに数分かけることもあります。またキャラクターの戦うモーションのバリエーションも豊富で、カメラワークと併せ、とてもカッコよい演出になっています。何度見ても飽きません。BGMは歴代サガシリーズ、パズドラなどを手がけてきた伊藤賢治氏。とくに戦闘曲には定評があり、今作の戦闘曲も最高に良いです。エレキギターやドラム、そしてバイオリンなど、ロックと弦楽器の融合が素晴らしいです。メロディラインもキャッチーでつい口ずさんでしまいます。サントラを買って繰り返し聴きまくってます。ロック好きな人も、クラシック好きな人にも、オススメです。