ノルウェイの森

ノルウェイの森

『ノルウェイの森』とは、村上春樹の5作目の長編小説およびそれを原作としたメディアミックス作品である。原作である小説は1987年に講談社より上下2分冊で刊行された。その後、1991年に講談社文庫として文庫化され、2004年には文庫改訂版が出版されている。
主人公はワタナベトオル。彼は高校時代に親友のキズキを自殺で失い、心に傷を抱えていた。そんなワタナベは、新しい環境を求めて東京の大学に進学。そこでキズキの恋人であった直子と再会し、次第に親密な関係になっていく。
本作は2010年にトラン・アン・ユン監督・脚本で実写映画化された。主な出演者は松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子などである。

ノルウェイの森のレビュー・評価・感想

ノルウェイの森
9

小説にひけを取らないクオリティ

この映画は村上春樹の大ヒット小説「ノルウェイの森」の映画化です。
大体小説を実写化すると、ストーリーやキャスティングに批判が集中することが多いのですが(漫画と違い、どうしても読者の想像力に委ねているからです)ですが、今作はそうではありません。主演の松山ケンイチは主人公のワタナベトオルの色がない感じを上手く表現できてますし、相手役の菊池凛子の影のある暗い美人によくマッチしています。ただ、それだけだと陰気な映画になってしまうので、雰囲気を明るくさせているのは小林緑役の水原希子です。天真爛漫なキャラクターにワタナベも惹かれていきます。ただ個人的には髪をもっと短くしてもよかったかもと思いました。

ストーリーとしては、東京の大学生の気だるい、物憂げな雰囲気もよく出ていました。地下鉄に乗り、散歩して、喫茶店でコーヒーを飲む。ですが直子は精神を病んでしまい、京都の山奥の療養所に入ってしまう。そこでもワタナベは新しい出会いをする。レイコさんという少し歳を召しているが素敵な女性です。レイコさんもとても辛い過去を抱えていて、話の後半にもとても重要なポジションとしてワタナベの前に現れます。音楽も、ビートルズの同名曲、「ノルウェイジャンウッド」によく合っています。