椿三十郎

椿三十郎

『椿三十郎』は、黒澤明監督による1962年に公開された日本映画である。前年に公開された 『用心棒』の続編的作品とされる。原作は山本周五郎の『日々平安』。脚本は黒澤明、小国英雄と菊島隆三の共同執筆。主演は前作に引き続き三船敏郎がつとめている。
舞台はとある城下町。流れ者の浪人である椿三十郎(つばきさんじゅうろう)は、お家騒動で町が揺れている中、上役を告発したものの逆に窮地に陥っていた改革派の若侍達の密議の場に居合わせてしまう。そして持ち前のユーモアと知略を駆使し、その凄腕を以てして、若くて真面目で陰謀術数に疎い彼らに加担することになる。
30人の相手を斬り倒す殺陣や、街道の外れで行われる敵方の用心棒との壮絶な一騎打ち、特にポンプを使って表現した圧巻の血しぶきのシーンが特に話題になった。そしてこれらのシーンは後の時代劇映画にも大きな影響を与えている。
キネマ旬報ベスト・テン第5位。2007年には同じ脚本を利用して、織田裕二主演にて再映画化された。

mikosi3217のレビュー・評価・感想

椿三十郎
10

椿三十郎

黒澤明唯一のシリーズもの、用心棒に次ぐ三十郎の活躍ぶり、前作では街を牛耳るやくざの二大勢力を叩き潰し颯爽と去っていった。今作はある藩のお家騒動に巻き込まれる羽目に、ある寺で若侍たちが密かに密議をしている、どうやら城代家老が藩の乗っ取りを図つているらしい、偶然居合わせた三十郎、話の筋のおかしさにきずいて若侍たちにアドバイス、三十郎が一人芝居を打つて、ピンチをくりぬける.若侍たちの危なさが気になり三十郎助太刀をする羽目に。実のところ悪だくみを図つていたのは他の重臣たちで、若侍たちをうまく利用して、城代家老を貶めようと画策。若侍たちすっかり三十郎に心酔状態で何かとたよりつぱなし、この作品兎に角笑いとユーモアのセンスが秀逸で、コメデイー作品と思うほどに笑いが満載、監督の手腕に観ている我々が翻弄されてしまいます。そして待ち受ける驚愕のラストシーン。とても言葉では言い尽くせない驚天動地の世界映画史に残るラスト、一度見たら生涯忘れられないことになること請け合い。監督は世界の黒澤明・主演・三船敏郎・仲代達也・加山雄三・志村喬・田中邦衛・小林桂樹・入江たか子・そして出番が少ないながら強烈な印象を与える名優伊藤雄之助、わき役の鏡。