わたしは、ダニエル・ブレイク / I, Daniel Blake

わたしは、ダニエル・ブレイク / I, Daniel Blake

『わたしは、ダニエル・ブレイク』(原題:I, Daniel Blake)とは、2016年に公開されたイギリス・フランス合作のドラマ映画である。ケン・ローチが監督、ポール・ラヴァーティが脚本を手掛けた。本作は第69回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを受賞したほか、英国アカデミー賞の英国作品賞やロカルノ国際映画祭の観客賞など、国内外の数多くの映画賞に輝き、社会風刺と人間ドラマが融合した傑作として世界的な称賛を集めた。
物語の舞台はイングランド北部の都市ニューカッスル。長年まじめに大工仕事に従事してきた高齢の男性ダニエル・ブレイクは、ある日心臓発作に見舞われて倒れ、医師から就労を止められてしまう。仕事を失った彼は生活を維持するために国の失業給付金を申請しようとするが、非人間的で融通の利かない官僚的な手続きや、パソコン操作を前提とした冷徹なシステムに阻まれ、受給資格がないと判断されてしまう。
途方に暮れるダニエルは、同じように困窮しながらロンドンから引っ越してきたシングルマザーのケイティ一家と出会う。役所の冷淡な対応によって手当の支給が遅れ、極限の生活を送るケイティたちを放っておけなくなったダニエルは、得意の大工仕事で彼女たちの借家を修理するなど、お互いに支え合いながら家族のような絆を深めていく。しかし、複雑な福祉制度の矛盾や経済的困窮は容赦なく彼らを追い詰め、ケイティは飢えをしのぐために過酷な道へと足を踏み入れざるを得なくなり、ダニエル自身も自らのプライドや生活の基盤を次々と失っていく。
イギリスの社会保障制度の欠陥や現代社会が抱える貧困のリアルを鋭くえぐり出しつつ、過酷な現実の中でも失われない人間としての尊厳や、名もなき人々が示す連帯の美しさを力強く描き切った作品である。

go-1019414103653752311033のレビュー・評価・感想

わたしは、ダニエル・ブレイク / I, Daniel Blake
10

重いけど大事な話

すごく重い話でした。イギリスの話で、イギリスの現在の状況を見た監督さんが、この事は絶対に伝えなければならないと作った作品だと聞きました。
今まで真面目に働いてきたのに、怪我で働けなくなった男が福祉も受けられず苦しんだり、引っ越してきてよく分かってなかっただけのシングルマザーに手当が支給されなかったり、一体福祉ってなんなの?政府は貧困層を助ける気などないんでしょと怒りの湧いてくる映画でした。どうしてこんな理不尽なことが起きるのでしょう。シングルマザーの話とかは、私もあまり事務作業が得意ではないので、こういうことが自分の身にも起きそうと思い、とても怖くなりました。市役所の人々はなんでもっと率先して、市民を助けれやらないのかなとイライラしました。
これは日本の話ではないけど、日本でも同じようなことが起こるのでは、と、とても怖くなる話です。
さすが、監督さんが引退を撤回してまで描きたかった物語というだけあって、とても考えさせられる話だなと思いました。そんなドラマチックな展開もないですし、淡々と話は進むので、退屈だと感じる人もいるかもしれませんが、今の世界の状況を知るためにも見て損はない映画だったと思います。