本当の王の器とは
主人公のボッジは、ある王国の王子様です。
でも、ボッジには生まれながらに幾つものハンデがあります。
まず、巨人族の両親を持ちながら体が非常に小さく、力も普通の人間より非力です。そして、耳が聞こえなくて、声を発することも出来ません。
こんな絶望的な状況で、さらに、国民からは哀れな目で見られたり、子ども達からバカにされたりします。
ただ、ボッジは読唇術を身につけていて、陰口や悪口を言っている人は、聞こえないと思って言っていますが、理解しています。まさに、気が狂いそうな環境です。
しかし、ボッジは、立派な王様になりたいという夢を持っていました。そして誰よりも純粋で優しい心も持っていました。
その心はどんなに周りにひどい事が起きても揺らぐ事は有りませんでした。
そんなボッジが、カゲという理解者と出会うことで物語は動き始めます。
カゲ自身も影の一族という暗殺者一族の生き残りで、一族が皆殺しにされた経験を持っています。
その為、世の中に恨みをもち、物を盗みながら生活していました。
ただ、カゲは何故かボッジが喋っている事が理解できました。
そして、ボッジの内面に触れていく中で、どんな時でもボッジの味方でいたいと考える様になります。
人生で初めて理解者を得たボッジはどんどん夢に向かって進んでいきます。
性善説という言葉がありますが、本当にボッジは純粋で、悪に染まること無く、真っ直ぐ生きています。
きっと、こんな優しい人が王様になったら幸せな王国を築いてくれると思います。
何も持ち合わせなかった少年が、無二の友人と一緒に夢に向かっていくところを、是非ご覧ください。