宮本コウジじゃなくてヒロジだよ。
今宵の月のようにのイメージが強いかもしれませんが、ボーカルの宮本浩次の本当に描きたい世界観はもっと激しく、いびつなロックンロールです。わかりやすく説明すると、ガストロンジャーのような、曲ではなく台詞の連続のようなストレートな曲を中心に歌いたいそうです。そのためには別にバンドとして売れなくてもいいし、ミリオンセラーを狙っているわけでもない。宮本さんが話しているシーンをテレビで観ていると、相変わらずよく髪の毛を触るよなとか、目をむいて音楽について語る姿はかつての岡本太郎さんを見ているような錯覚に陥ったりもします。自分の求める音楽と売れる音楽っていうのは明らかに違うし、そもそも矛盾を抱えていて当然なんですが。エレカシの場合は特に楽曲制作においては毎日が戦いなのではないかと思います。だけど、やっぱり自分の場合も、ある程度メロディアスな曲調の方が好きですね。今宵の月のようには日本のロック史上最高の傑作だと思います。お薦めの曲をいくつかあげると、孤独な太陽・月夜の散歩・昔の侍などです。悲しみの果ても好きですね。スピッツの草野正宗が宮本さんをかなりリスペクトしているというのも解ります。とがってないとロックじゃない。それを実証し続ける男。それこそが宮本浩次です。