何も失う事なの無い「無敵の人」
私はこの映画を万人受けるものだとは思いません。そして、中学生や高校生といった未成年の方々にも見て欲しい作品ではありません。感受性豊かな方なら一発で歪むほど歪なエネルギーに溢れている作品だと思います。
この映画の主人公というのJOKERというのはこの映画の主役のアーサーのもう一つの名前です。彼は名前のないピエロとしてつまらない日々を過ごしています。自身の抱える障碍と、病気がちな母親を抱え、慎ましく、決して幸せとは言い難い日々を過ごしています。時には同僚に馬鹿にされ、町の悪ガキには暴力を振るわれる。しかし、彼にも希望はあり、それを糧に日々を過ごしていました。
ある時、彼はひょんなことから拳銃を手に入れます。それが原因でピエロの仕事をクビになっています。そこからは雪だるま式。その拳銃で人を殺してしまいます。何故こんなことになっているのか?
しかし、希望はまだあります。そう彼の夢はコメディアンになること。そして、テレビの向こう側の憧れの存在と肩を並べ仕事をすること。はたまた隣人との甘いラブロマンス。世界は希望に満ち溢れています。
まあ、そんなのは甘い妄想なんですけどね。
いずれ現実に引き戻された彼は全てをぶち壊します。彼を取り巻く環境も、彼を嘲笑した奴らも、全て。
そんな彼に賛同した人々は彼を祭り上げ、JOKERという人物が生まれました。
場面が変わり、白い部屋。精神病院の一室でしょう。彼は対峙しているソーシャルワーカーの女性にこういいます。「面白いジョークを思いついた」
さて、JOKERが思いついたジョークとは?今までのお話が全てジョーク?それとも宿敵に関する話?
私が今まで書いた600字程度の文に意味はありません。何故ならこの話はどこを掛け間違えたボタンのようなちぐはぐな話だからで。主人公は妄想癖に取りつかれ、現実と妄想の境に居ます。そのくせ最後には面白いジョークを思いついたと宣いこれまで語った話を煙に巻こうとしています。どこを取れば現実なのかなんて境はJOKERにすらわかっていないのかも…。
だからこそ、どう解釈をするのか、この映画を見てどう感じるのかは視聴者に委ねられているのかもしれません。
ただ、のめりこみ過ぎない事、共感しない事をお勧めします。どのみち、胸糞の悪いお話であることには変わりありませんから(笑)