サックス一本で世界へ
物語は、宮本大という東北に住む高校生(開始当時)が、世界一のプレイヤーを目指して、様々な場所で様々な人々と出会い、成長してゆく様子が描かれています。前半は国内編とも言え、10巻までで一区切りついて、現在は主人公が海外で活動する『BLUE GIANT SUPREME』が9巻まで進行中です。私がこのマンガを読み始めたきっかけは、ジャズをテーマにしたマンガというものを今まであまり読んだことが無く、また自分自身サックスを吹いているということもありました。読み始めは大学生だったので、自分と年が近い主人公が、自分と同じ趣味で活躍するストーリーにどんどんハマっていき、次第には、自分ももう少し若ければミュージシャンを目指していたなあ、と思わせてくれるまでになりました。作者の石塚真一さんの他の作品は『岳』を読んだことがありますが、『岳』の主人公・島崎三歩と本作の宮本大は、どこか似た(顔も似ている?)少し熱い性格で、例えばバンドを組んだときにはメンバーとぶつかることもありますが、解決策を必ず見つけ、互いに切磋琢磨しバンド全体が良くなっていくという場面が多々見られます。『~SUPREME』はドイツを中心としたヨーロッパが舞台なのですが、よく取材したと感心する描写でありますので、この地方の風景や生活が好きな方にもおすすめできます。もちろん、ジャズが好きな方は、ライブハウスや野外フェスティバルでの演奏シーンが描かれ、それがマンガでありながらライブの臨場感が感じられますので大変おすすめできます。