中間管理録トネガワ / Mr. Tonegawa: Middle Management Blues

中間管理録トネガワ / Mr. Tonegawa: Middle Management Blues

『中間管理録トネガワ』とは福本伸行の人気作品である『賭博黙示録カイジ』の作中に登場する利根川幸雄を主人公にしたスピンオフ作品である。兵藤会長の機嫌を伺いつつも部下である黒服をまとめる立場、いわゆる中間管理職である利根川幸雄の苦悩と葛藤を題材にした作品で、『月間ヤングマガジン』で2015年7月号から2018年2月号まで連載。 2018年7月から12月まで日本テレビの深夜アニメ枠、AnichUで放送されていた。単行本は全10巻発売で完結している。

9ctakuya1995のレビュー・評価・感想

中間管理録トネガワ / Mr. Tonegawa: Middle Management Blues
8

「賭博黙示録カイジ」を知らなくても楽しめます。

本作は福本伸行さんが原作の漫画(及びアニメ)「賭博黙示録カイジ」に出てくる悪役・帝愛グループの利根川幸雄が主人公のスピンオフ作品です。
カイジ本編とは違い、利根川さん含む帝愛グループの幹部や黒服軍団たちの非常にコミカルでアットホームな姿が描かれています。兵藤会長もカイジでのバイオレンスで狂気的な部分がうまく笑いに変換されていて、軽快で絶妙なナレーションによるツッコミのおかげもありなんだか可愛らしいおじいちゃんに見えてくるほどです。
黒服軍団のごく普通のサラリーマン的な会話や、ちょっとあまずっぱい空気が漂う恋愛ネタもあり、かと思えば帝愛グループらしい突き抜けたエピソードもありますが、下品さやシュールさがないので、人を選ばず面白いと感じることが出来ると思います。
会長を始め破天荒な幹部メンバーに比べて主人公の利根川さんは常識人ポジションで、それゆえに苦悩する姿は郷愁すら誘いますが、決めるべきところはきちんと決め、なにより部下への思いやりがあるので、まさに理想の上司像という感じで、この作品で利根川さんのファンになる方は多いのではないでしょうか。
また、アニメ版は、福本さんといえばコレと言っても過言ではないくらいの名物効果音「ざわ…ざわ…」を元に、名前に「ざわ」か「さわ」のつく有名な声優さんたちが担当しており、毎回どなたが演じておられるのかチェックするのも楽しみのひとつです。また、おしゃれでかっこいいオープニングソングもポイントが高く、利根川さんの渋い決め姿にときめきます。
アニメ版はもう1つのカイジからのスピンオフ作品「1日外出録ハンチョウ」のストーリーも楽しめるのでおすすめです。