アンゴルモア 元寇合戦記 / Angolmois: Record of Mongol Invasion

アンゴルモア 元寇合戦記 / Angolmois: Record of Mongol Invasion

「アンゴルモア 元寇合戦記」はたかぎ七彦による史実を元にしたフィクション漫画。
時代は鎌倉。対馬に上陸した蒙古の大軍勢。元鎌倉御家人で流人・朽井迅三郎が多勢に無勢の中、戦術・戦略、地の利と「義経流」を駆使し生き残るために戦場を駆ける。日本では見たことの無い兵士、策、戦術、武器、用兵に果敢に立ち向かう。蒙古・高麗軍が上陸してからの九日間を描く。

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アンゴルモア 元寇合戦記 / Angolmois: Record of Mongol Invasion
8

アンゴルモアと戦った鎌倉武士の物語

あらすじ:
時は鎌倉時代。極東の小国・日本を狙う大陸の巨大帝国『元』。彼らの強大な軍隊はヨーロッパを震撼させ『アンゴルモア』と呼ばれるようになっていた。その元が日本侵略のために初めに白羽の矢を立てたのが高句麗(朝鮮半島)と九州の間に存在する『対馬』であった。着々と準備を進める元、対し迎え撃つのは対馬の宗一族と鎌倉から送られてきた流人達。ここに壮絶という言葉では言い尽くせない戦いが始まるのである。

日本史の授業で習った『元寇』を取り扱った珍しい漫画です。
主人公は鎌倉から送られてきた流人・朽井迅三郎。彼は義経流(剣の流派)の使い手です。その強さはいわゆるチート級、そして彼以外にも優れた戦士がたくさん出てきます。しかし、敵も兵揃いで負けていません。余りの戦力の差に戦場から離脱する者も出てくるほど。休む間もなく続く戦い、あちこちで繰り広げられる駆け引き、一難去ったかと思えばまた一難、次の展開が気になって一気に読み進めてしまいます!
また、一口に『元』と言っても蓋を開ければ、モンゴル人・女真族・漢民族・高句麗人といった具合にたくさんの民族が入り乱れています。ある意味日本サイド以上にドロドロとした複雑な人間関係が垣間見えるので、非常に読み応えがあります。歴史の勉強にもなる面白い漫画ですが、同時に戦争ものであるため容赦ない流血・殺戮・グロテスクシーンが満載、主要キャラクターもあっけなく命を落としていきます。戦闘シーンのみならず、政治的駆け引き・策略も含めた綺麗事の一切ない『戦争』を描いているため人を選ぶ漫画でもあるかと思います。