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悲しい
心やさしきコメディアン志望の若者が貧困の中、どんどん狂ってジョーカーになる様を描いた作品です。
ジョーカー役はホアキン・フェニックスが演じています。急に笑ってしまったり言ってはいけないことを言っちゃったりする病気なのに、薬も買えなくなって、仕事もうまくいかず、どうしようもなくなる様がとても切なかったです。彼がおかしくなるのは必然のように思いました。薬が切れて、わけもなく笑ってしまうところとか、逆に悲しいです。とても面白いし、ジョーカーに飲み込まれてしまいます。
この作品はこの作品だけで考えるととても面白い作品だとは思いますが、バットマンシリーズのことを思うとちょっと不満です。ジョーカーは、なんかわけがわからなくて、ただ楽しいから犯罪を犯していて、そういうサイコパスなところが最高だったのに、彼の過去が明らかになってしまうのはいささか不満です。私はジョーカーは生まれたときからジョーカーであってほしかったというか、同情できる過去なんか知りたくなかったなと思います。
まあ、この作品はスピンオフ的なもので、この話がジョーカーの真実だと断定もできないと思うので、本作は本作と割り切って楽しむのがいいのかもしれません。