ドラゴンクエスト ユア・ストーリー

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ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
7

リアルタイムでDQ5にハマっていた世代にはオススメ

おおむね不評な前評判を知ったうえで鑑賞。観ているうちにすぐ気付くのは、この映画がターゲットを『DQ5をプレイしてどっぷりハマった人』に絞った作りだということ。DQ5の物語のあらすじを知らない人が観ると、開始早々『なんじゃこりゃ』となってしまう(正直、知っていても冒頭15分くらいは困惑してしまった)。物語は詳しい説明もなく、細切れのようにエピソードの羅列によって進んでいく。声優をつとめる佐藤健や有村架純の演技は非常に上手く魅力的なのだが(もちろん山田孝之も!)、イマイチ感情移入できず、モヤモヤしつつ中盤まで進んでしまう。このあたりで鋭い人は、時折挟まれる『違和感ワード』に気づくだろう。
そして後半、たぶん最も盛り上がるはずの場面で突如、観客は足元の梯子を外されてしまう。これを『原作ゲームへの侮辱だ』『せっかくまあまあ楽しかったのに、台無しにされた』と憤慨する人の気持ちはわかる。
しかし、この映画はDQ5の『ストーリー』を映画化したものではないのだ。
これは、DQ5を愛した人=『あなた』の物語。『ユア・ストーリー』というサブタイトルが全てを物語っていたのだ、と受け入れることができるかどうか。この映画に費やした時間を幸せなものにできるかどうかは、この一点に賭かっている。
そんなイジワルな映画だが、本気でDQ5にハマった人なら、観終わった後とりあえず『DQ5やりたい』『ビアンカかわいい』となること間違いなし。