ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド / Once Upon a Time in... Hollywood

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド / Once Upon a Time in... Hollywood
10

クエンティン・タランティーノが描くシャロン・テート殺害事件

クエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、ブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオというハリウッド二大巨頭を要する作品です。
上映時間160分越えという長尺ながら、クエンティン・タランティーノ独特の会話劇でぐいぐい引き込まれていきます。
1969年のハリウッドを舞台に、人気に陰りが出てきた俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、そのスタントマンであるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)が時代に取り残されないよう奮闘する様子が延々と映し出されます。
しかし、本作はある実在の事件を基に作られた作品なのです。
その事件とはシャロン・テート殺害事件。
映画監督ロマン・ポランスキーの妻であり、女優でもあるシャロン・テート。
彼女は妊娠中にチャールズ・マンソン率いるカルト集団「マンソン・ファミリー」に惨殺されます。
物語はこの事件に向って動いていくのですが、クエンティン・タランティーノがこの事件にどう落とし前をつけるのか、そこが非常に見どころな映画です。
他のクエンティン・タランティーノ作品と同様に、本作もサウンドトラックが非常に良いです。
ブラッド・ピット演じるクリス・ブースが、ラジオ爆音の車に乗って1969年のロサンゼルスを颯爽と駈けるシーンはずっと見ていたくなるほど気持ちいい、本作の白眉だと思います。