古代中国が好きな方はおすすめ
舞台は古代中国。かの有名な秦の始皇帝の建国にまつわる物語です。主人公はそんな秦の将軍である李信(りしん)。奴隷の身分から始まり、目標とすべき上官、戦友たち、愛すべき部下たちとともに、戦国の世を駆け抜けていきます。
見どころは、まず主人公の実直さや、その武力の強さです。いわゆる曲がったことが大嫌いな少年漫画の主人公のような性格の信ですが、成長するにつれ、軍というもののしがらみや、敵国を攻め落とすことの現実の厳しさに直面し、葛藤していきます。また、年齢を経ることに、武力が増し、同時に出世もしていきます。
次に魅力的なのは、各国の知略戦です。文官たちの国を背負った、あるいは国の派遣を得るための舌戦・謀略の数々は見ものです。戦場においても、軍師の才が冴え渡ります。相手の裏をかき、練りに練られた戦法で、少数が大勢を打ち破るさまは圧巻です。特に、作品を通して主人公のライバル的な存在として描かれる、李牧の軍略はすさまじく、国の危機を何度も救い、主人公を苦しめます。
最後に、この作品の大きな特徴は、戦闘のリアルさです。ことあるごとに戦争が起こりますが、古代中国の戦闘なので剣・槍・弓矢等が主流の戦いです。当然、人が切られ、突かれて殺されており、目玉が飛び出していたり、胴体が半分に切られたりと、その描写を細かく描かれています。