ファンタジーと現実が紡ぐ父と息子の物語
今回ご紹介する映画は、ダニエル・ウォレスの同名小説を、ティム・バートン監督が映像化した2004年5月に公開された作品になります。
あらすじを簡単に説明すると、自分のこれまでの過ごしてきた人生をユーモアたっぷりに話す父親。そんな父を真実を語らない“ホラ吹き”と敬遠するようになった息子。そんな二人ですが、父親が病気になり余命が僅かだと知ります。看病に訪れた息子は残された時間で父の本当の話を聞こうとしますが、いつものように“ホラ吹き”が始まり辟易します。しかし、次第にその“ホラ吹き”の中にある真実を知り始めます。果たして、息子はこれまで父に抱いていた思いを変えることが出来るのでしょうか。
この映画で描かれているのは父と子の確執。そして絆になります。
構成は父親の若かりし頃の人生を描いた「ファンタジー」と、年老いた父親と息子が生きる「現在」が交互に描かれながら進行します。
物語が進んでいくと、この「ファンタジー」がただの作り話ではなく、聞き手を楽しませるために作られているものだと分かり始めます。小さい頃に聞いたサンタクロースや絵本のお話などを聞かせてくれた親心に近いものがあるのではないでしょうか。
また、映像美も見どころの一つです。時間が止まるシーンや画面いっぱいに敷き詰められた花など、ロマンチックで色彩豊かな表現も監督ならではのものでしょう。
優しい作品だとは思いますが、現在と過去の反復、またファンタジーが混ざるので、多少苦手な人は居るかもしれませんね。
涙する作品を見たい方にはオススメです。