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ランダム再生厳禁。”彼”そのものを受け取ってほしい。
ダンスボーカルグループ「AAA」のラップ担当としても活躍されている日高光啓さんのソロ名義です。
SKY-HIの楽曲はすべて彼自身の作詞で、作曲や編曲もほぼすべて彼が手がけています。ミュージックビデオを自己プロデュースすることも少なくなく、非常に精力的に行っているライブツアーの演出も彼の手によるものです。さらにはピアノやドラムやギターの演奏も得意です。そしてキリリとした眉の濃いめなイケメン。そんなことってある?という感じですが、あるんですね。
音楽ジャンルとしてはヒップホップです。筆者はSKY-HIを聴くまでヒップホップはさっぱりだったのですが、彼の音楽には絶妙にポップスの色が混ざっていて聴きやすいと思います。SKY-HIの音楽はエンタメとアートのあいだに揺れています。「聞いて楽しい」「かっこいい」「オシャレ」な曲でありながら、彼の哲学とでもいうべき「現代人はいかに生きればよいのか」というテーマが同じかそれ以上の重さで含まれています。現代日本に隠れたあらゆる闇を鮮やかに切り裂くリリックにはいつもドキリとさせられます。
彼自身がリリース時に「自分そのもの」と語ったアルバム「JAPRISON」は「JAPAN+PRISON」の造語をタイトルとしているのですが、この現代日本社会をあれこれ悩み苦しみながらも生き抜く彼の姿がそのまま音楽になっていて、聞き流すことはできない、ランダム再生もできない、耳から離れない1枚です。