ママレード・ボーイ / Marmalade Boy

ママレード・ボーイ / Marmalade Boy

『ママレード・ボーイ』とは集英社より発刊されている『りぼん』にて連載された、高校生の男女が親の都合により同棲することで惹かれあっていく恋愛漫画である。
2組の両親がお互いのパートナーを交換することで、同居人となるという奇想天外な設定で、社会現象にまでなった。
主人公を中心とした複雑恋愛模様は、同居や家族をテーマにした秘密の恋物語の先駆けともいえる。
作中に登場する交換日記やロボット型ボイスレコーダーも、当時の若い世代では大人気となった。

anna_dollのレビュー・評価・感想

レビューを書く
ママレード・ボーイ / Marmalade Boy
9

りぼん黄金期の金字塔

1990年代の少女漫画誌「りぼん」は250万乙女というキャッチフレーズ通り、圧倒的な発行部数と人気を誇っていました。その中でも看板作家の一人、吉住渉さんの連載作品「ママレードボーイ」は、当時のりぼんっ子にとってはオシャレで大人っぽい作風でした。
高校生の小石川光希はある日、両親から突然の離婚宣言、そしてお互いに別の夫婦と再婚するという、いわゆる交換結婚の話を持ち出されて卒倒寸前。相手の夫婦の一人息子・松浦遊はかなりのイケメンで、光希は一瞬ときめきそうになりますが、2組の夫婦の前で、両親が離婚するなんてやだ、と涙ながらに訴えます。しかし、再婚する夫婦2組と、その子供たちと6人で住むことが決まっている、と言われ光希は否応なく同級生のイケメンとの同居生活に巻き込まれることになります。
光希はとても素直で明るい女の子で、対称的に遊は一見柔らかい雰囲気ながら、本心を決して人に見せないという一面を持っています。それは家庭の事情などが複雑に絡んでいるからですが、それ故に光希に惹かれたんだと思います。
作品全体はコメディっぽく味付けされていてとても読みやすいです。特に光希と遊の親、両親ズは我が道を行く、という感じがどこか憎めません。物語の佳境にはこの両親ズがキーパーソンになっていきます。最終巻辺りはすごくシリアスでした。
実写映画では松浦遊役に吉沢亮さん、小石川光希役に桜井日奈子さんと、まるで原作から抜け出してきたようにピッタリのキャスティングです。1990年代の連載作品がどのような映画に仕上がっているのでしょうか。