高校生達の青春群像劇
『青のフラッグ』は、少年ジャンプ+にて連載中の漫画だ。
高校3年生の主人公・一ノ瀬太一は、学校帰りの本屋で同じクラスの空勢二葉が恋愛にまつわる本を取ろうとしてる所に遭遇し、なし崩し的に彼女の恋に協力する事に。二葉の恋の相手は、太一の幼馴染である三田桃真。スポーツ万能で社交的な幼馴染に苦手意識を持ってる太一だが、二葉に協力すると言った手前引けなくなってしまう。行動を共にするようになり、太一は二葉の健気な性格に次第に惹かれていく。一方の桃真にも好きな人がいる様子。その相手とは...。
主人公の太一は、これといった取り柄もないごく普通の男子高校生。そんな自分に少し似たどこか鈍臭い二葉を苛立ちを覚えたり、幼馴染でありながら学校のヒーローである桃真に劣等感を感じたり。正直、漫画の主人公としてはネガティブで頼りない。しかし、誰もが1度は抱いた事のあるような複雑な感情を表に出すキャラクターであるので、共感が出来て応援したくなる。反対に、幼馴染の桃真は朗らかで笑顔が耐えない明るいキャラクターであるものの、内に秘めた思いを決して表に出す事がない。そんなキャラクターの魅力がこの作品の何よりの魅力だ。
また他の少女漫画との大きな違いとして、同性の親友を恋愛対象にするキャラクターの存在が挙げられる。特に6巻以降では、偶然が最悪の形で重なりその思いが学校中に広まってしまう。動揺するキャラクター達の絶妙な心理描写。知ってしまった思いを受け止めようと悩み、互いの意見をぶつけ合う彼らの様子は読んでいて胸が苦しくなる。ただただ面白いだけじゃない、考えさせられる作品だ。
作品自体、アプリで基本無料で読むことができるので是非気になった方は読んでみて欲しい。