いいところばかりではない
産婦人科医院でアルバイトをする看護系の学校に通う高校生が、妊娠、出産のいろんなケースに触れる話です。産婦人科系の漫画だと不倫でできた子を産んでも美化とか、タバコ吸ってても、まあやめようとしたからいいとかいう作品もある中、この作品はいい面だけでない、現実的な闇とかも描いていてとても読み応えがあります。どうしても産まない子もいるし、中絶を隠れてできる場所も必要なのかもしれないとか、先生の真摯な向き合いとか、考えさせられます。ひどい目にあっている人とか、ほんといろんなひとがいて、それでもだから、その子が何してもいいとか、かわいそうなひととか言う書き方でもなく、嫌な子だし、困るけど、いろいろ事情があるんだなと言う書き方に好感が持てます。また、順調だと思われた人が出産時に出血多量で亡くなったり、強いひとだったのに、産後うつになったり、本当に子どもを産むということが大変なことだなと思いました。妊娠は病気じゃないとかいう風潮がありますが、やはり、大切にして生きたいと思うし、夫、家族は命がけで産んでくれるんだと妻を支えてあげてほしいと思いました。なかなかヘビーな内容も多く、読むと沈んでしまいますが、新しい話が読みたいと思える作品です。