ティム・バートンの世界観を堪能できる
ティム・バートンという有名な現役映画監督の20年以上前の作品です。ここでは監督はしていませんが、この作品の世界観はティムのものです。毎年のハロウィンやクリスマスの時期にはテーマ曲が街に流れだしたり、グッズの販売があったり、決して廃れることがありません。不気味なテイストの街の住人たちではありますが、全員から好かれている主人公。年に一度のハロウィンのために一年がある、その日をどうやって盛り上げて楽しむかのための残りの364日。日本人の祝うハロウィンとはまったく違うもので驚くかもしれませんが、ハロウィンタウンの住人たちにはとても大事なこと。毎年毎年同じ繰り返しだけのまち。この主人公の抱える虚しさや寂しさ的なものを理解できる友だちは、ひそかに主人公に思いを寄せている女の子ひとりだけ。物静かで自己主張もなく、ただ主人公への理解を示そうと寄り添おうとするだけの女の子。主人公はなかなかその思いに気付けずに、クリスマスという違うイベントに心を奪われて暴走してしまします。キャラクターたちがほぼ全員不気味なんです。でもじっと見つめていると愛着がわいてくる場合もあります。モノトーン基調のハロウィンタウンとカラフルで光り輝くクリスマスタウンの対比も素晴らしい。何度見ても新発見があって新鮮な映画なんです。