FPS(ファースト・パーソン・シューティング)ゲームの代名詞になって、世界中で大流行したゲーム「DooM」を原作にして、映画化した作品です。孤立した火星の研究所を舞台に、遺伝子操作で誕生したモンスターと宇宙軍海兵隊の戦いを描きます。
ある程度の年齢の人で、ゲーム好きならば、かつてパソコン・ゲームから始まって、各種家庭用ゲーム機にも移植され、世界中で大ヒットしたFPSタイプのシューティング対戦ゲームである「DooM」の名前を聞いた事のある人は多いだろう。
この作品は、ゲームの設定と物語をヒントに、オリジナル・ストーリーで映画化した作品です。
ゲームの物語というのは、あくまでも、ゲーム・プレイの為の動機づけに他ならず、あくまでも、ゲームが主で、物語が従です。あってないような物語性なので、映像作品にする時は、潜在的な観客であるゲームファンに怒られないようにしながら、かつ、映画としての物語性も充実させて、一本の映像作品として完成させないといけません。
こう考えると、ゲーム原作で成功している作品というのは、数える程しかありません。バイオハザード・シリーズや、サイレント・ヒルは、その数少ない成功例と言えるでしょう。
そういう視点で観た場合、「ドゥーム」は、うまくまとめた印象が強い作品です。
まず、シュチエーションとして、隔離された研究所、迷路のように複雑な通路、異形のバイオ・モンスターの襲撃、男の子の厨二心をくすぐる、ごっついビーム兵器など、基本的なアイコンを押さえた上で、適度に複雑な謎とアクション映画として面白さを損ねない、ハイテンポな物語進行を両立させています。
明らかなサービスとして、ゲームの「DooM」に出てきそうな一人称視点の戦闘シーンを入れて、判る人には判るサービスも忘れずに入れています。特記して優れた作品としての特色はありませんが、アクションを普通に面白く撮れるというのは、やたらと深刻なテーマ入れてきて、純粋に楽しめる作品として失敗している映画が多い中で、ニーズを確実に掴んで、求められる観客層向けにキチンと仕上がっています。
観て損をしたと思う事は、無いと思います。