平凡なサラリーマンの悪戦苦闘
ちょっと気弱な主人公が、家族のために罪を犯しそして…という、ストーリーとしては結構重たいテーマだと思うんですが、そこをうまいことクスッとさせる面白さ。展開はスピーディーかつスリリングこの上もないんですが、ちょいちょい笑いを交えてくるので油断できません。やろうと思えばハードボイルドに決めてもカッコよかったであろう画力で、微妙に外してくるのがクール。
主人公の、気弱でミステリ好きというキャラが最大限活かされてます。とにかくピンチに次ぐピンチなのですが、今のところこちらの予想を超えて乗り切ってくれています。乗り切るたびに「良かった…!」と主人公に声援を送ってしまう…殺人犯なのに。主人公とともに大活躍する奥様が、ほんとにお嬢様育ちののんびり屋さん、て感じでとっても可愛いです。この奥様がつらい思いをするような展開になってほしくないな~、でも殺人事件だし…と読んでいてハラハラし通しです。とはいえ、主人公がうまく立ち回るたびに爽快感があるのは事実。まだ連載中のため、ラストをどうするつもりなのか想像できませんが、私としては、主人公に逃げ切ってほしい、やっぱり…!と、主人公にがっちり肩入れしているので、作品としては大成功では。