前に進む勇気を与えてくれる作品です。
はじめに、この作品にはグロテスクなシーンや暴力的な要素が含まれています。 苦手な方にはおすすめ出来ません。
何か新しいことを始めたい、でも何かを失うのが怖くて一歩を踏み出すことが出来ない。 進撃の巨人はそんな読者の背中を押してくれる作品です。 最低最悪の世界で、物語の中心を担う登場人物たちは、大切なものを失いながらも自由を求めて一歩一歩前に進んでいきます。 彼らの言う「進め、進めええ!!」という言葉は、アニメや漫画といった平面の世界を飛び越えて、私たちにチャレンジする気持ちを与えてくれるのです。
また、この世界には大きな謎がひとつテーマとして設定されており、登場人物達と読者は作品中でそれに翻弄され、疑心暗鬼になります。 謎が明かされていく過程や以外な真実を目の当たりにしたとき、私たちは驚き・憤り・またさらなる疑問を植え付けられます。 謎解きやサスペンスが好きな方にも心よりおすすめしたい作品です。 「この、裏切りもんがああああ!!」この台詞を見て心躍る方にぴったりな作品でもあります。
この作品は、ただグロテスクで背徳的で暴力的なスリルを味合わせたいとった趣旨の作品とは、全くもって別物です。 尻切れトンボで終わってしまう、ファーストインパクトだけ、そんな作品に出合ってきた方はきっと多いと思います。 進撃の巨人は違うのです。 物語に多分に含まれた伏線とその回収していく力から察するに、作者の諫山先生には先見の明があります。 先生は広げた風呂敷をきちんとたたんでくれると、私は確信しています。
進撃の巨人は、必ず読者を満足させる作品です。 グロテスクな描写に抵抗が無い方・人生に何か不満がある方・ミステリーが好きな方、そんな方々に、強くこの作品をおすすめします。