小五郎の首についてはノータッチなのか
ご存じ超有名大人気漫画『名探偵コナン』は、連載開始から20年以上経ってなおpixivの検索ランキングで一位を取るほどの人気である。昨今の安室人気は、目を見張るを超えて、恐ろしいものがあり、確かに私も初めて安室を見た時は「こんな女性に受けそうなキャラデザ今更よく作れるな」などと(世良の時も思ったが)思ったものだが、まさか、ここまでとはな。
序盤の面白さは誰が見てもという感じなので良いとして、65巻を過ぎたあたりからデジタルに移行したせいなのか、青山氏の手の問題なのか、アニメに寄せているのか、キャラの顔が横にびょーんと伸びてしまっている。それがちょっと気持ち悪い。トーンもデジタルになってからどうも目がチカチカしてしまっており、何か問題があるように感じる。ミステリー自体の内容も深いものがなくなって、流行りのものを生かしたギミック的なトリックを工夫しているだけであり、脳の中から降りてきたアイディアというものはもう無さそうであり、長らく衰えを知らなかった超大作に衰えの陰りが見え始めている。最後の犯人の台詞の「オチ」も、かなりつまらなくなっていて、昔のようなテーマ性や、伏線を回収するようなものや、詩的なものはなくなってしまった。キャラの造形も、昔と比べて一辺倒で、何かルールのようなものが出来上がってしまっていて見ていて飽きてくる。「名探偵図鑑」も、昔はちゃんとリアルな絵を描いていたのに、今は手近な流行りの探偵を青山風に描いているだけで、誰でも知っている探偵ばかりだ。線も太く、雑になっているのは否めない。とは言え最後、「アポトキシン4869」の効能や、「あの方」の目的は引き続き気になる。「あの方」の正体も分かったことだし、いよいよクライマックス! この名作の終わりをみなで見届けよう。