コララインとボタンの魔女 / Coraline

コララインとボタンの魔女 / Coraline

『コララインとボタンの魔女』は、ニール・ゲイマンによる2002年出版の児童文学作品、およびアニメ映画作品。原作はヒューゴー賞を受賞している。日本では2003年に角川書店より刊行され、2010年に文庫化された。
本作は、2009年に『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリックにより、アニメ映画として映像化している。日本では『コララインとボタンの魔女 3D』のタイトルで2010年2月に劇場公開された。アニー賞では、作品賞を含む8部門にノミネートされ、ゴールデングローブ賞アニメ映画賞にノミネートされた。

mo_kyu120a2のレビュー・評価・感想

コララインとボタンの魔女 / Coraline
10

ストップモーションの最高峰

オープニングは主人公・コララインの人形を作る工程が流れ、外に放つシーンから物語が始まります。
まずそのシーンに驚きます。なんといってもストップモーションとは思えない程動きがなめらかで緻密な作業がとても丁寧に映像化されており、この映画の見どころといっても過言ではありません。
この映画は準備期間を含め制作に約2年半、製作費は約60億掛かっています。「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」のヘンリー・セレック監督が手がけたストップモーション映画の最高峰と言える長編映画です。
とにかく出てくるキャラクター1人1人が奇妙で個性的。映像だけでなくBGMもどこか不気味で、休むことなく不思議な世界観にどんどん引き込まれていきます。

ろくにご飯も作らず、仕事ばかりする両親にほったらかしにされた寂しい思いをするコラライン。不満を抱きながら眠りにつき、目覚めるとそこには別のママとパパがいました。料理を作る優しいママ、ピアノが弾ける優しいパパ、理想的な環境だけどただひとつおかしいのは目がボタンなことでした。
子どもの頃に親に怒られると、怒らず優しい両親や美味しい料理が並んでいる食卓などが欲しいと一度は考えるもの。この作品はそんな子どもの理想を見事に映像化していると思います。
この世界に居たいと願うコララインは、別のママに目をボタンにすることを強要されたことで初めて恐怖を抱きます。このシーンは大人が見ても恐怖を感じるほどです。
なんとか逃げ出し元の世界に戻ってきたが、本当のママとパパは別のママであるボタンの魔女に連れ去られてしまい、本当のママとパパを取り戻すためコララインはボタンの魔女に立ち向かいます。何段階も恐怖が待ち構えているため、ハラハラしてしまうシーンも多数あり、視聴者を飽きさせません。

子どもだけではなく、大人も怖いと思えるホラー映画です。
コララインが成長していく様も楽しめます。

虫の登場率が高いので、苦手な方はご用心。
魔女が虫を食べるシーンは思わず目を背けてしまう程です。

色彩も鮮やかで映像としても楽しめる作品です。