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支えになってくれる
雨に濡れて、びしょぬれで動けなくなった時に、そっと寄り添ってくれる、そんなミュージシャンです。
世の中に対する不満や、人生の悩みを胸の内にため込んでいる人は少なくないと思います。
誰にも言えないそんな悩みを、まるで代弁してくれているかのようです。
この世に生まれて、いったい何意味があるんだろう、なんの価値があるんだろう、なにを成せばいいんだろう。
そんな心情を吐露したような歌詞が、胸にジワリとしみ込んできます。
かと思えば、戦争や、殺人や、虐待や、この世界の不条理だったり、悲劇を痛烈に風刺した歌詞がナイフのように胸に刺さります。
彼の音楽はまるで一つの文学のようで、駄々をこねる子供の泣き言のようで、高尚な哲学のようで、破壊的な暴動のようで、雨の日の虚しさのようで、陽だまりのような優しさでもあります。
どんな些細な事でも、少しでも人生に悩んだことがある人なら、彼の音楽に何も感じないということはあり得ません。
そして、どこを探しても同じような音楽を見つけることはきっとできないと思います。
音楽どころか、文学を探しても、何を探しても、amazarashiほどのものを見つけることはできないと思います。
amazarashiという唯一のジャンルであり、唯一の世界です。