映画を見ているよう
物語は淡々と進み、血の湧くような盛り上がりはありません。
ですがいつの間にかのめりこみ、あっという間に一話が終わってしまいます。
主人公は蟲師という生業で、旅を続けているギンコ。
彼が出会う様々な人と、蟲による出来事を丁寧に描いた作品です。
基本的にギンコはクールなキャラクターですが、自ら困っている人々の話を聞き、人々を救うために自ら壁に立ち向かう、なかなか熱い人物です。
蟲は人々に害をなし、これから人々を救うのが蟲師の仕事の一つであるので、蟲は葬るものであるという考えの蟲師がほとんどです。
ただ、ギンコは蟲と共存する道をさがしており、この優しさも彼の魅力です。
多くの人々がギンコに助けられ、生活を続けていきますが、ときどき、すこし尾を引く終わり方のお話もあります。
先述したように、蟲は害を成すことがあるもの。
ギンコの目指す共存も、簡単ではありません。
ハッピーエンドだけではない、ファンタジーでありながら現実から離れすぎない、これも蟲師の魅力だといえます。
基本的に一話完結の作品です。
一話一話にそこに住む人々の境遇と、想いや希望が詰まっており、一つの映画を見たような満足感に満たされます。
エンディングが流れるたびにほっと溜息が出るような、のめりこんでしまう魅力を持った作品です。