殺し屋と少女の純粋な愛に泣ける!
1994年公開の映画です。リュック・ベッソンが監督を務め、その当時彼の作品によく表れていた凶暴さと純粋さが、この作品の特徴ともなっています。
それは、殺し屋業や麻薬、一家惨殺などのハードボイルドな世界の中で、孤独な者同士が出会って愛を知るようなるというピュアなストーリーが語られるところに見られ、ニューヨークのゲットー街での危険な、そして切ない物語が胸に染み入るような作品です。
そして特筆すべきは、殺し屋の男と12歳の女の子という珍しいコンビ。彼らはたまたま同じアパートの住人だったのですが、少女マチルダの家族が殺されてしまい、殺し屋のレオンに助けを求めることから関係が始まっていきます。
マチルダを演じたのは、撮影当時13歳だったナタリー・ポートマン。孤独を表現するために、髪を黒く染めて撮影に挑んだというエピソードもあり、年齢に似合わない成熟した演技と、少女らしいピュアさや瑞々しさが同居し、その存在感は世界中を驚かせました。
それに対するジャン・レノが演じたレオンの渋くて寡黙、そして純粋でちょっと可愛らしいところもあるようなキャラクターにはいやらしさがまったくなく、少女との純愛を貫くことに説得力を持たせています。
またエリック・セラの担当する音楽も素晴らしく、映画の世界に浸ることができます。誰もが心の奥底に抱える孤独な気持ちに響くような素晴らしい作品です。