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リアルな20代の恋愛を描いた漫画
『ピース オブ ケイク』は2003年から2008年に渡って女性漫画誌『FEEL YOUNG』に掲載されたジョージ朝倉の漫画です。単行本は大判コミックとして出版されています。
主人公は20代で都心に暮らすフリーターの志乃。昔に目指していた夢はあったけれど、自分には才能がないと諦め、生活のためにバイトする毎日。モテるというわけではないけど、それなりに言い寄ってくれる人はいて、そういう相手を受け入れて恋愛をしてきています。でもそれはその場しのぎだったりして、男性に対して素直に心を見せているわけではありませんでした。
しかし、たまたま引っ越した先のアパートの隣の住人である京志郎と出会ったことで、志乃の心には火がつき、運命も回りはじめるという恋愛ストーリーです。
作者のジョージ朝倉は登場人物のリアルな感情や、その場の空気の動きを描くことが秀逸な漫画家ですが、この作品でもその特徴がよく出ています。特に、都会で生きる若者にとっては痛いほど共感できる部分があるでしょう。登場人物はみんな完璧ではなく、自分の身の回りにも思い当たるようなキャラクターで、そのダメな部分も含めて愛せる漫画です。
また、主人公の志乃がファッション関係の仕事を目指していただけあって、髪型や服装がおしゃれなところも楽しめます。