フジファブリック / Fujifabric

フジファブリック / Fujifabric

フジファブリックは2000年に志村正彦を中心に結成されたロックバンド。メンバーは山内総一郎(ボーカル・ギター)、金澤ダイスケ(キーボード)、加藤慎一(ベース)。
2000年に志村正彦が渡辺隆之、渡辺平蔵、小俣梓司と共に結成し、メンバーの脱退や加入を繰り返した後、2004年2月18日にプレ・デビューアルバム『アラモルト』にて実質的にメジャーデビューを果たす。4月14日には1stシングル『桜の季節』をリリースする。2007年発売の7thシングル『蒼い鳥』では初のオリコンチャートTOP10入りを果たした。
2009年にも11thシングル『Sugar!!』がワールド・ベースボール・クラシック中継のテーマソングに起用されるなど活躍していたが、12月24日に志村が急逝。ファンのみならず、多くの音楽仲間が悲しんだ。その後は金澤、加藤、山内の3人で活動をしていくことを決める。

koara08318のレビュー・評価・感想

フジファブリック / Fujifabric
8

適度な脱力とポップさ、独特なセンスが抜群

3人組のシンセロック系バンド。2009年にメインボーカルの志村が急逝するという出来事があったが、その大きなショックを乗り越え、残ったメンバーで活動を継続している。あの強烈な個性を持った作詞作曲ボーカルを務めていた志村の亡き後も、こうして活動を続けられていることそののものが、今のフジファブリックのメンバーたちの音楽性の高さを証明していると言えるだろう。どこか奇妙で、聴いていて耳に残る不思議なメロディや歌詞、そういった良さは昔から変わらず、しかし以前にもましてポップな雰囲気をまとったバンドになり、聴き心地が良くファンが増えるのも納得だ。最大の特徴は適度に脱力して、適度にロックしているというところだ。あれもこれもと詰め込むのではなく、ふわっと力を抜き、音の数を多くしすぎないところは、他のミュージシャンと比べて特筆すべきポイントだ。それでいて、音作りや曲の全体の雰囲気などは細かいこだわりも聞き取れる。そのバランス感覚が絶妙なバンドだと言える。いわゆる脱力系のミュージシャンとは違って、決して癒やしやゆるさを売りにしているのではなく、程よくロックな音楽もあるところが良いのだ。聴いていて疲れないし、飽きのこないバンドである。